その他小説

□恋人日和
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「 土方くーん、起きてくださーい 」

「 ん〜…? 」


2X歳にて恋人が出来ました。定職で高級取りの公務員さん。危険と隣り合わせのイケメン警官は、男です。

体格も思考も似た者同士で喧嘩三昧の俺達は無自覚にイチャついてたらしく、なんやかんやのゴールイン。半年経った今でも付き合いたてかとツッコまれようが全く気にならない。餌付けの効果か、子ども達も懐いてる。神楽は俺をマミー、土方をパピーと呼び、新八は土方に稽古をつけてもらってる。

万事屋に土方が居るのに違和感がなくなった何時もの光景の非番の朝。万年床に抱き合って、しかも裸で寝てる中、俺だけ目が覚める。時間の感覚はなく、窓を見ると日が昇り始めたくらいだと分かる。一人だけ起きていてもつまらないと、あどけない寝顔の恋人をつつく。


「 起きましたかー? 」

「 ん〜… 」

「 起きないとちゅーすっぞぉ。起きてもするけど 」

「 するのかよ 」


フハッと笑って寝惚け眼が顔を出す。眉間のシワが取れた柔らかい笑みに自分の頬も緩む。きゅんとキたんでちゅーした。土方は天パもふもふ。


「どうかしたのか?」

「いんや、目ぇ覚めただけ」

「そうか……」

「ちょいコラ、どこ触ってんだ」

「ケツだが。シたいんじゃねぇのか」

「違ぇよバカっ。ふつーにイチャつきてぇの!」

「なんだそうなのか。まぁまだ早ぇし、眠ぃし…」


尻をいやらしく触る割にはぼんやりと眼を閉じたり開けたり。開けてる時に口を窄めるとキスがきて、開けろとでも言うように舐められる。素直に開くとかぷりとされちゅうっと吸われる。離れたらぎゅうぎゅうくっつく。


「…いいわぁ、ごろごろうとうといちゃいちゃ。いっぱいになるわぁ」

「てめぇ、いっつもそんなだろ…」

「こらこら土方くん分かってないねぇ。一番重要なのはいちゃいちゃなんだからね」


へへへと勝手に出る笑いを止められず胸に擦り寄りながらも笑いっぱなし。視線だけ土方に向けてみると、土方もこっち向いてて窺う感じの眼差し。


「…悪い、寂しかったんだな」

「そうそう。仕事の合間の顔見せもないしさぁ。道中会っても五分十分だろ?パフェが食べれないっ」

「そっちか!つっても山崎に送らせたら怒るじゃねぇか」

「パフェが食いたいつってんだろっ」

「んじゃ材料買ってやっから自分で作れ…」

「…で、その材料とやらは誰が持ってくんの?」

「…やま「 却下! 」


ったく、この恋人様は。鈍いのか聡いのか冗談なのか。恥ずかしくなって誤魔化した俺も悪いと思うけど普通分かるじゃん。寂しいつってるじゃん。誰に会いたいのかなんとなく分かるじゃん。

ぶーぶー不満を言うとくつくつと含み笑い。わざとかコノヤローと背中の爪跡を引っ掻いた。つけた覚えないんですけどね!
 
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