その他小説

□勝負は運も必要?
1ページ/4ページ


「 −おめぇ、行く先々に現れんな 」

「 そうだねぇ、もう諦めた方がいいんじゃない? 」


俺が調べてるから。

土方を好きになってからジミーとか沖田くんに聞いたりしてる。誤魔化すのも面倒いから「協力してね(邪魔すんなよ)」って笑顔で凄んどいた。今日もバッチリ頭の中に入れて出会い頭にバッタリを演出した。お目当ての土方はうんざりした顔で煙草の煙を吐き出す。

超カッコいい、イケメン。その口つけた煙草下さい。ギリッギリまで吸うわ、間接キスしとくわ。


「 …はぁ〜 」


その溜め息飲みたい。


「で、行くのか?」

「え?どこに?」

「食うんだろ、いつもの」


え?抱きついていい?土方がついに誘ってくれた!ストーカーした甲斐があった。毎回パフェ奢ってとファミレスに連れ込んだ甲斐があった。その連れ込む時ちゃんと腕組んで匂い嗅いだから。煙草以外の土方の匂い、大好物です。


「土方くん、俺の事分かってきたねー。よし、行こ」

「ああ。…行くから離せ」

「ヤダ」


離したら速攻スイーツが群がるんだよ。あ、スイーツって言っても俺の大嫌いな方ね。キーキーうっせぇんだよ、俺の土方にくっつきやがって。殺気振り撒いて歩かないと俺が居ても来っからな。


「早く行こっ。休憩、休憩ー」

「てめぇは働いてから休憩つぅ言葉使え」

「心配しなくても酷使してっから」


土方を悪い虫から守るのと、どうやって俺のモノにするか頭使ってるから。

それ以外、金が必要な場合は泣く泣く仕事に向かう。勿論、沖田くんから格安にして貰った隠し撮り写真を懐に常備してる。会えないと当たり散らすからね、主にぱっつぁんに。今は本物がいるから銀さんの銀さんが反応しっぱなし!あ、バレない様にくっついてるから!


「誰が心配っ…! −はぁ…。いい、行くぞ」

「そぉそぉ、ケンカよりデート優先」

「気色悪い事言ってんじゃねぇ!」

「えー、多串くんノリ悪ぅーい」

「多串じゃねぇつってんだろっ」

「あいてっ」


うん、コレやっとかないとね。あー、誰か写真撮ってくれねぇかな。特に叩いた所をバッチリと。そしたらソレを土方のアルバムにコレクションするのに。

はぁ、と溜め息つきつつも、力を込めずに腕を動かす。そんなんで俺の力を振り解けるわけない。表情も迷惑そうでも本気で嫌そうじゃない。何これ、ひょっとするとひょっとする?抱き着いてもいい?


「いや、流石に離せ」

「あ、ゴメンね」


抱きついていい?じゃなくて抱き着くわだったわ。現在進行形で抱きついてるわ。土方くんのドアップとか銀さんマジヤベェわ。24時間眺めてぇ、土方24時とかあったら俺がカメラやって自分だけで楽しむわ。
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ