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□銀時くんの成長記録
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「まさかオメェと恋仲になってるとはねぇ〜」

「オレだって驚きだわ。何でテメェとこうなったのか分かんねぇよ」

「土方くんが銀さん好き過ぎて告ったんじゃねぇのぉ?」

「いや違ぇ」

「じゃあ土方くんがヘタレ過ぎてキレた銀さんが告ったとか?」

「それも違うが喧嘩売ってんなら買うぞ」

「え〜、可能性言っただけじゃーん。答えは教えてくれないんですかぁ?」

「答えも何も…オレもよく分かんねぇんだよな…」


「はぁ?何言ってんの?」と怪訝な顔されても何故こうなったのか。出逢いは最悪だったのに、静かに呑みを交わす事を知って二人で過ごす時間が増えた。思いの外居心地が良く、気が付けば常に傍にいる存在になっていった。そこにキスやらセックスが加わっただけ。


「 強いて言うなら、居んのが当たり前になった 」


銀時に手を伸ばそうとすると眼に戸惑いが浮かんだ。同じ態をしていてもやはりただの顔見知り、良くて腐れ縁。触れるのは可笑しいと手を引っ込め、気まずさは煙草を吸う事で誤魔化した。


「今日は依頼があんだろ?新八と神楽待ってんじゃねぇのか?」

「……へぇ〜、ちゃんと呼ぶんだねぇ」

「…ンなの、テメェにゃ関係ねぇだろ。早く行ってやったらどうだ」

「ほー、俺には冷たくするんですかそうですか」

「元々こんなだ。それとも何か?今のテメェも優しくされてぇのかよ」


ニヤニヤ自分でも卑しいと分かるくらいムカつく表情をした。返ってきた反応は犬猿の仲とは言えない、程遠い。ブスッとして無言、目を凝らして見れば頬が微かに赤い。この場合、恋人の銀時はからかうと底まで拗ねる。今の銀時も同じならヘタをしない方がいいにしても万事屋がこんな反応するとは…。

偽りとはいえ、幼少から過ごしてきた様なもの、絆されたのだろうか。ならば手を出してもいいか。キスも後一回残ってるし、相手にとっては犬猿でもオレにとっては恋人だしな。はっきり言えば触りたい。


「よし、怖くねぇから。ちょっと触るだけだ」

「えっ?ちょ、ちょっとっ、お、おめぇキャラ違くね!?」

「色々あったんだよ。これも全てお前のお陰だ、銀時」

「…おめぇに名前呼ばれんの、なんか変」


そりゃそうだ。逆の立場だったら違和感しかない。逆の立場ならの話だが。という訳で触るか。

前のめりになって、腕掴んで、引っ張って、腕の中へ。ゆったり隙を作りながら動いても大した抵抗はなく簡単に引き寄せれた。大人しいのをいい事に抱き締めて髪に鼻を埋めて匂いを嗅ぐ。ああ落ち着く。


「 へ、へんたいだぁぁぁっ。おまわりさーん! 」

「 おまわりさんが来たからにはもう安心だ 」

「うんうん安心出来ないね!俺がお縄にされてるよね!」

「 神妙にしろ 」

「未だかつてねぇ覇気のない決めセリフ!」

「 あんまりうるせぇと、分かってるよな? 」

「お、おまわりさんが脅すのはよくないと思います!」

「和姦だろ、和姦」

「 ちょっと何言ってるか分かんないかなぁ!? 」


うるせぇな、口だけ。殴らず突き飛ばさず大人しく収まってる万事屋、犬猿の仲。抱く腕に力を込めれば減らず口が止まる。曖昧な関係、ふと悪戯心が湧いた。天パから覗く真っ赤な耳を甘噛み。からの奇声。


「かかかかかかむとかっ、かむとかぁぁぁ…!」

「そこから舐めるに派生するという」

「いえいいです、いらないです」

「遠慮すんな。普段と違うオレを見せてやる」

「あ、甘いもんはもう結構ですっ」

「゙結構でず?それは要る方か」

「 すいません要らない方です!! 」


やってみてぇ気もするがこれ以上悪戯すれば後が怖い。息を吹き掛けるだけにしておいた。やっぱり奇声を上げて離れてった。めっちゃ警戒してる銀時に確認。


「 キスどうする? 」

「…うわ、うーわ、聞いちゃう?ソレ聞いちゃうの?モテ男がそんなんじゃあダメダメですねぇ」

「―…ん。仕方ねぇ、手解きしてやるわ」

「上から目線すげぇ腹立つけどぉ?銀さん心広いから許してやるー」


だからしろと?いいのかソレで。コイツも上からだがオレには可愛くしか映らない。取りあえずキスして感想でも聞いてみるか。
 
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