ツナ攻め小説III
□ツナヒバ
1ページ/1ページ
「 あ、ヒバリさん。子作りしませんか? 」
「 は? 」
窓を開けて珍しく群れてないから機嫌よく綱吉の部屋に入ると、驚きもせず淡々と面と向かって言う。
立ち尽くしていると座らないのかと隣を促す。さっきのが空耳じゃないとすると彼の近くにいたらどうなるか。
「 ヒバリさーん 」
「 …イヤ 」
「ありゃ、フラれた」
残念と言いながら何とも思ってない風に雑誌へ視線を戻す。おまけに赤ん坊はいないと、部屋に来た時のお決まりの台詞付き。僕が誰に会いに来たのか分かってて言うんだ。
「心にも無い事言わないで」
「何がですか?」
「……」
「リボーン、ですか?」
笑いながら雑誌を読んでる。本来なら僕を無視してる時点で彼以外は処罰する所だけど、綱吉に嫌われるからしない。
彼が僕を見るように隣じゃなくて前へと座る。綱吉を独り占めする本は取り上げて邪魔にならない場所へ置く。怒る素振りはなく愉しそうだ。
「子どもの方だよ」
「ヒバリさん子ども好きでしたよね?」
「そういう事を言ってるんじゃない」
「ふふっ、ヒバリさんの子なら絶対美人ですよ」
頬を撫で、語りかける眼は本気だ。
何で、そんな事言うの。よく綱吉に可愛いや美人なんて言われるけど所詮男の身体、産む器官を持っていない。
「…なに、遠回しの別れ話?」
「ヒバリさんは別れたいんですか?」
殺気を込めた問い掛けをに吹き出してからサラリと返す。気を読み取ったのなら僕の答えは分かってる癖に聞いてくる。
「そんな訳、ないじゃない」
「じゃあどうして言ったんですか」
「…子どもが欲しいんでしょ」
「勿論です。俺と、ヒバリさんの子どもがね」
素直に伝えたら綱吉も穏やかに微笑んで応えてくれる。僕への想いを惜し気もなく出して、以上に満たす。意地悪な質問が嬉しいなんて、どうかしてる。
「…出来なくても傍にいてよ」
「当たり前です。それに、子作りするコトに意義があるんです」
また微笑む。さっきと違う、艶が香る笑み。離れていても飲み込まれて思考を占領する。
「なら今すぐシよう」
「丁度よく誰も居ないんです」
「 知ってる 」
そう答えると一層笑みを深くし腕を引っ張られる。逆らうなんて愚かな行いはせずベッドに沈むと、僕だけの彼がみえる。
(えろ魔人)
「……魔人というか、魔神」
「ヒバリさんに神格化認定されちゃった」
「……魔性(ボソッ)」
END