ツナ攻め小説III

□ツナヒバ
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「 あ、ヒバリさん。子作りしませんか? 」

「 は? 」


窓を開けて珍しく群れてないから機嫌よく綱吉の部屋に入ると、驚きもせず淡々と面と向かって言う。

立ち尽くしていると座らないのかと隣を促す。さっきのが空耳じゃないとすると彼の近くにいたらどうなるか。


「 ヒバリさーん 」

「 …イヤ 」

「ありゃ、フラれた」


残念と言いながら何とも思ってない風に雑誌へ視線を戻す。おまけに赤ん坊はいないと、部屋に来た時のお決まりの台詞付き。僕が誰に会いに来たのか分かってて言うんだ。


「心にも無い事言わないで」

「何がですか?」

「……」

「リボーン、ですか?」


笑いながら雑誌を読んでる。本来なら僕を無視してる時点で彼以外は処罰する所だけど、綱吉に嫌われるからしない。

彼が僕を見るように隣じゃなくて前へと座る。綱吉を独り占めする本は取り上げて邪魔にならない場所へ置く。怒る素振りはなく愉しそうだ。


「子どもの方だよ」

「ヒバリさん子ども好きでしたよね?」

「そういう事を言ってるんじゃない」

「ふふっ、ヒバリさんの子なら絶対美人ですよ」


頬を撫で、語りかける眼は本気だ。

何で、そんな事言うの。よく綱吉に可愛いや美人なんて言われるけど所詮男の身体、産む器官を持っていない。


「…なに、遠回しの別れ話?」

「ヒバリさんは別れたいんですか?」


殺気を込めた問い掛けをに吹き出してからサラリと返す。気を読み取ったのなら僕の答えは分かってる癖に聞いてくる。


「そんな訳、ないじゃない」

「じゃあどうして言ったんですか」

「…子どもが欲しいんでしょ」

「勿論です。俺と、ヒバリさんの子どもがね」


素直に伝えたら綱吉も穏やかに微笑んで応えてくれる。僕への想いを惜し気もなく出して、以上に満たす。意地悪な質問が嬉しいなんて、どうかしてる。


「…出来なくても傍にいてよ」

「当たり前です。それに、子作りするコトに意義があるんです」


また微笑む。さっきと違う、艶が香る笑み。離れていても飲み込まれて思考を占領する。


「なら今すぐシよう」

「丁度よく誰も居ないんです」

「 知ってる 」


そう答えると一層笑みを深くし腕を引っ張られる。逆らうなんて愚かな行いはせずベッドに沈むと、僕だけの彼がみえる。




(えろ魔人)
「……魔人というか、魔神」
「ヒバリさんに神格化認定されちゃった」
「……魔性(ボソッ)」


END
 
 

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