世界から省かれた二人はある日、世界の終わりを予感しました。
有りもしない終わりは、彼等の意思によって手招かれるのです。
そして、月
影の下、彼等は禁忌を犯しました。
笑いながら血の雨を浴びる彼等は、まるで天使の様でした。
しかし、神の様に驕った姿はみるみるうちに体液に因って穢されていきます。
彼等は静かに
闇の中、逃亡を図りました。が、ヒカリが見えた瞬間――。
目の前は真っ赤に染まって、ただ身体は崩れ落ちて逝きました。
嗚呼、なんておぞましい
血!!
人々は非難の目で抱き合う彼等を見て云いました。
嗚呼、ばらばらになるならば一緒に世界の終わりを迎えたかった、唯、それだけだったのに……。
――何故、それを狂っていると人は云うのですか?