book2
□平子+ひより
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平子+ひより
ひよりが急に今夜は焼き肉やって言い出した
あの戦いのあと、ボケっとしとるみんなにひよりなりに気ぃ使うたんやろう
せやけどなんでオレの奢りやねん
ほんまに勘弁したってや
牛ロースに牛ヒレってえらい贅沢やな
ってあとは鳥胸ってなんでやねんな
玉ねぎに人参、ピーマン、とうきび…
「真子、かねの串ってあったか？」
っておまえ、そりゃバーベキューやろ
まぁ、ええか
みんなも喜ぶやろしな
ひよりはあのあと、卯の花隊長のおかげですぐに回復できた
あのとき一瞬ひよりを失うかもしれんっちゅうオレの心の声が聞こえたが
今はこうして笑ろていられる
有り難いことやな
しゃあない、今日はオレの奢りや
みんなも一人も欠けることなくまたこうしておれるんやから
お祝いせな罰が当たるってもんや
ひよりの好きなもん買わせたるわ
しっかし、オレってほんまに甘いやっちゃな
特にひよりには昔からいいようにカモられとる気ぃするわ
なんでやろか
「真子、こっち見てみいな!!
伊勢エビやて、伊勢エビ!!
美味そうやなあ。」
アッ、アホ抜かせっ!!
何人おる思てんねん
悪いこと言わへんからこっちのブラックタイガーにしとき
一人３匹は食えんねんで
伊勢エビやったら一匹を４人で分けるんやで
ブラックタイガーの方が絶対お得やろ
ほんま、ひよりがアホで助かったわ
こいつはチビやからぎょうさん食わしてやりたいんやけど伊勢エビは話が別や
ブラックタイガーで喜んどるうちはこれでええねん
せやけどひよりはこれ以上大きゅうなることはないんやったな
オレは別にひよりがチビやからどうやってことはないんやけどな
ひよりがな
やっぱり大きゅうなりたいやろ思てな
こればっかりはしゃあないんやけどな
こないだ、ぎょうさん死神に会うてしもたからなあ
ってあかん
なんでオレがひよりの発育でしんみりしたらなあかんねん
オレはいつからひよりのおかんになったんや
危ない目に遭うたから心配になるってどんだけ過保護やねん
そのうちモンスターペアレントになってまうわ
アホなこと考えとらんとさっさと買い物すませんと日ぃ暮れてまうわ
「デザートはこれやな。」
デザートは板チョコかい
おまえかて一応女の子なんやからそこはプリンとか
チョコでもいちごポッキーとか来るんやないんかい
板チョコやなんてお前は登山家か
オレの無言の突っ込みを感じたのかひよりがなんや言いたげな顔して振り向いた
「…それ一護が好きや言うとったわ。」
そうか、一護が
って待たんかい
いつのまにそんな話までしとんねん
オレは知らんかったで
一護のヤツ、ルキアちゃんといいさては貧乳派か
次に会うたら絞めとかなあかんな
「なに猿みたいな顔しとんねん。
さっさと持てや。日ぃ暮れてまうで。」
…それはオレの台詞やろ
しかし、せやなぁ、
ひよりも一護が心配なんやな
そりゃそうやな
俺らがこうしてられるんは半分以上が一護のおかげやからな
助かったわ、ひより
おかげで今の力の無うなった一護を守ったらなあかんて
みんなに言い出しやすぅなったわ
オレらは藍染にかなわんかった
それでも今もみんな揃うとる
次になにをするにしてもみんなでやらなあかんと思うねん
誰が欠けてもあかん
藍染が倒されたいま、ほんまはもう自由や
それぞれが好きにしてもええ
心残りもないやろう
せやけどオレはやっぱりみんなを、
いまでは一護も含めて守りたいんや
ひよりもそない思てくれとんのやろ？
あぁ、なんや気が軽うなったわ
お前の荷物も持ったるわ
気色悪いとか言いなや
照れんでもええやん
あだっ!!!
なんで？
なんで荷物持ってんのに跳び蹴り食らわなあかんの？
なぁ、なんで？
ひよりさん？
ひよりさ〜ん？
荷物ちっこいのでええから一つ持ってくれへん？
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