book2

□恋次+ルキア
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恋次+ルキア



「恋次、一護はどうしているだろう?」

ぼんやりしてるように見えたルキアが呟いた
どうやら一護のことを考えていたらしい

ルキアが一護と別れたのはこれで二度目だが
一度目はすぐに会えたし、今度のように力を無くした訳じゃなかった

それまで当たり前に見えていたルキアさえも見えなくなった一護を目の当たりにして
ルキアもさすがに堪えたらしかった


「学校行って高校生してるに決まってるだろ。
だいたいなぁ、ルキア。
一護はまだ15、6年しか生きてない人間の小僧なんだぞ。
今ひぃこら生きないでいつ生きるんだよ。」

一瞬きょとんとしたルキアがクスリと笑った

「それもそうだな。」


「そんなことよりお前、もっと強くなって一護の様子を見に行きたいんだろう?
そんなら俺が付き合ってやるから修行しろ、修行。」

「恋次。お前なぜそれを…」

わからいでか
何年いっしょにいたと思ってるんだよ

一護じゃあるまいし半年や一年の付き合いじゃねぇんだからよ
そりゃ一護がいなけりゃいまごろこうして
ルキアと一緒にいることもできなかったわけだが

それはそれ、これはこれ、だ
こっから先は譲れねぇからよ

一護に会いに行くためだろうが何だろうが修行くらい付き合ってやるさ

それに俺も少しばかり一護の顔を拝んでやってもいいしな
厚かましく言ってやるとルキアが苦笑する


修行の肩慣らしに瞬歩の鬼ごとをもちかける
ルキアとなら瞬歩がいい勝負になるはずだ
鬼道だとボロ負けしちまうし、力技なら俺の圧勝だろう

勝敗を賭にして白玉ぜんざいをチラつかせればあいつは必ず乗ってくる

好物に食い意地を張るところは朽木家に行ったのにちっともかわらねぇ
子どもの頃のまんまだ


ルキアは一護に出会って変わった
一度は朽木家の人間として刑に殉じる覚悟を決めたが
今は自分の意志を言葉にして周囲を説得する勇気を得た

精霊挺の要のひとつである朽木家のなかで養子の身がそれをするのは並大抵のことではなかっただろう

ルキアは一護をきっかけに俺には越えられなかったものを越えていった


俺もルキアには負けてらんねぇ
負けてたまるか

そうと決まれば手始めにまずは
ルキアに鯛焼きを思いっきり奢らせてやるとするか



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