book2
□たつき+織姫
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だったら、もしも織姫の言うことが当たっていたら
そのふたりが敵対するのはあたしと一護が敵味方に別れることと似たようなもんかと想像してみる
すごくいやな気分だ
あたしと一護が敵対してどっちかが死ぬなんてあり得ない
そもそも敵味方に別れるまえに殴ってでも止めてやる
そのふたりもそんなわけにはいかなかったんだろうか
…いや、本当はそんなことにはならない
わかってる
あたしは一護になにが起こってたのかぜんぜん知らなかったんだから
殴ることも止めることもできやしない
一護はあたしに黙って死神の世界に行ったんだ
乱菊って人が市丸って人に覆い被さったようなことはあたしにはできない
あたしには一護とおなじ場所にたどり着くことさえできない
だから乱菊って人が本当は少しうらやましかった
でも一護は無事に帰ってきた
それがどれだけ大変なことなのかあたしにはわからない
織姫ならもう少しわかるんだろうけど
だから今またこうして学校で毎日一護や織姫、千鶴や啓吾や水色に会えることを大事にしよう
なん百年でも生きられる死神にも別れがあるんだったら人間のあたしたちはなおさらだ
当たり前だと思ってた毎日がそうじゃないなんて
あんな目に遭わなきゃわからなかった
そう織姫に伝えるのは少し照れくさかったから
今日は織姫の話をたくさん聞くことにしよう
いままであたしに言えなかったことがたくさんたくさん、あったはずだ
そう言うと織姫は今日いちばんの笑顔を返してよこしたんだ
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