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□大前田
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精霊挺どころか霊王にまで大逆の罪を働こうっていう藍染隊長たちが
虚の軍勢を引き連れてソウルソサエティーを攻めてくるらしい
ていうか、攻めてきた、実際に

まったく迷惑な話だ、面倒くせぇ

俺に言わせりゃあ、顔も見たことねぇ
そもそも本当にいるかどうかも知らなかった霊王なんてものに
喧嘩をふっ掛ける藍染の気が知れねぇな

なんでせっかくの隊長位を大事にしねぇんだ?
俺なんて隊長の世話に二番隊の切り盛りと会社の経営
これだけでもう手一杯だ

他に抱えたいものなんかねぇ
いまでもじゅうぶん大変なのにこれ以上は面倒みきれねぇよ

それなのに藍染ときたらソウルソサエティーも現世も虚圏も霊王まで
全部ほしいときた

どんだけ有能なんだか計り知れねぇな

隠してたのが本性だけでなく
器と器量もだったらいいんだがな


それはともかく、攻めてくるってんだから仕方ねぇ
ソウルソサエティーをいいようにされちまったら俺もおまんま食いあげになっちまうしな

それに砕蜂隊長がとんでもなく怒ってる
こいつは下手なこと言ったら藍染と戦うまえに俺の首と胴が生き別れになっちまう

隊長は(俺からみれば異常なほどに)敬愛している前軍団長四楓院夜一様(様をつけないと殺ry…)を
ソウルソサエティー追放に追いやった黒幕が藍染だったことを知って
考えただけで卍解しそうな勢いでいる


隊長はとにかく強えぇが純粋なぶんだけ怒りに駆られると突っ走るところがある

それは朽木ルキアの件でも実証済みだ

今回もそれは隊長の数少ない欠点として看過されないだろう

なにせ相手は藍染だからな
計算ずくで事を進めてくるタイプが見逃してくるはずがねぇ


俺は藍染が苦手だった
いや、苦手というほどの接点もねぇか

評判はいつ聞いても良いものだったし、たまに会っても非の打ち所のないいい隊長だった

なんならうちの隊長と取り替えてry…

だが逆に、その隙のない完璧さがなんとなく気になっただけだ

うちの隊長は強えぇし真面目だし隊長として申し分ないが
実はガキで可愛らしいものが好きだ

俺様はいい男で金持ちで懐の深い最高の男だが鍛錬や修行はそれほど好きじゃねぇ

完璧な奴なんかいねぇ
そのかすかな違和感が俺を半歩下がらせた

だいたい、副隊長を集めて何事かと思えば
斬魂刀の能力を教えるなんて随分指導熱心で親切なことだと思ったが
よく考えたら他の隊長は誰一人そんなことをしたことがねぇ

古くからいるあの浮竹隊長でさえだ

まぁ今になってみて初めてわかることだがな


うちの隊長なんか藍染が副隊長を集めていたことを知ると
俺の腹に蹴りを決めたあとでこう言った

「アッサリ騙されるとは何事か、恥を知れ!!」

自分も藍染の始解を見せられてたくせによ


まぁそんなわけで
俺は砕蜂隊長に刺されねぇ距離で隊長を守んなきゃならねぇ

隊長の卍解は見たことねぇが今回は見ることになっちまうだろう
そんなもんを見て俺も生き残れりゃいいんだがな、ったく

隊長は隠密機動のくせに真っ直ぐで公明正大なとこがあるからな
死んじまうなら俺より隊長のが先だろう

そんなのは絶対に見たくねぇからな
面倒くせぇが仕方ねぇ
俺も踏ん張るさ












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なんかいい男だな大前田(笑)ギャップ満載男だと思われ

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