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□清音
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浮竹隊長はとてもお優しい方です

朽木さんが双極の丘に架けられることになったときも
その陰謀の内容と首謀者が明らかになったときも
駆けずり回って助けようとしてくださいました

駆けずり回るどころか
処刑を止めるためにあの総隊長と刀を交えることまでされたというから格好い、いえ、
隊士として敬愛してもあまりある隊長です


そんな隊士思いの浮竹隊長は
朽木さんの件で旅禍として現れた少年に目を留められたようでした


私からみてもその少年はどことなく海燕副隊長に似た面差しをしていたのだから
無理もないかもしれません


海燕副隊長は我が十三番隊の副隊長で殉職された方です

戦って最期を浮竹隊長に看取ってもらえたという意味では羨ましい限、いや、
ご立派な方です

私にも優しくしてくださった海燕副隊長のことは私も好きで、いえ、
浮竹隊長ほど好きなわけでは…


あー、あー、そのぅ。

とにかく海燕副隊長はとてもよい副隊長でした



ですから浮竹隊長はあの旅禍の少年のことには
なにかと関心を寄せられて
死神代行証も浮竹隊長が手渡されていましたよ


でもあのとき、浮竹隊長は確かに少し変な顔をされました
ほんの少しですが

まぁ私は小椿とはちがって浮竹隊長のことはなにひとつ見落としたりしないので気付くのは当然です



私は死神代行証なんてものをみたのはもちろんあれが初めてです
これまで聞いたこともなかった

でも浮竹隊長なら当然ご存じなんでしょう
なにしろ我が隊長は博識な方ですからね


だけど先日書庫にいたときにふと、おかしな顔をされた浮竹隊長を思い出して調べてみたんです


死神代行なんて書いたものは十三番隊の書庫にはどこにもありませんでした

おかしいですね?

浮竹隊長は総隊長、卯の花隊長に次いで隊長歴の長いお方です
ほかの隊の書庫よりも記録は充実してるはずなんですけど…

大霊書回廊の方にでもあるのかな?

死神代行なんて変わったものは多くはいないだろうし
きっとそうなんでしょう



とにかく浮竹隊長を煩わせるものは全部敵です
また体調を崩されてしまいます


それなのに浮竹隊長ときたらあれから難しい顔ばかりなさって
藍染隊長の狙いはどうとか
崩玉の研究がどうとか

そんなことを調べに大霊書回廊に入り浸りです


お体が心配です
まったくー


それにしてもこれから、どうなるんでしょう?


藍染隊長たちがまた空に穴をあけて虚を連れて攻めいってきたらー


もちろん私は浮竹隊長をお守りします


姉さんたち副隊長を斬魂刀も握らずに素手で吹き飛ばした
あの強い死神代行が現れてもー


それでももちろん私は浮竹隊長をお守りします
当然です


あれ?
なにが起こっても私のやるべきことは変わってませんね

そうですね
私はなにがあっても浮竹隊長のお供をします


そのときに小椿の野郎もいっしょかと思うとムカつくけど…


あ、そろそろお茶の時間ですね
今日のお茶うけは羊羹です
ふつうの羊羹じゃないんですよ
とびきり美味しい限定品です

これを浮竹隊長に召し上がっていただくんです

小椿が来ないうちに行かないとー

もういいですか?


はい、それじゃあ。












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清音さんはしあわせ度のすこぶる高いキャラだと思うな(笑)

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