book
□花太郎
1ページ/1ページ
ルキアさんの一件が終わってからしばらくしたある日、
僕は治療中のはずの卯の花隊長に呼ばれた
呼ばれて行った隊主室には浮竹隊長とルキアさんが椅子に掛けて、
机を挟んだ卯の花隊長と談笑していた
四番隊の業務も落ち着いた午後の時間帯は
診察がてらに話をしに寄る浮竹隊長をみかけるのは珍しいことではない
でもそこに僕が呼ばれることはない
なんだかヒヤリとした
案の定、卯の花隊長と浮竹隊長が僕とルキアさんに語った内容は只事じゃなかった
なんてもんじゃなかった
あの日、双極の丘の空が割れてメノスグランデが現れたのを見た隊士は当然いる
だが隊長格以下は平隊士はもちろん、席官にさえすべての事実は伝えられていない
隊長格でさえ勝算があるかどうかもわからない戦いをまえにしているからだろう
隊長格には含まれないルキアさんはあの日の当事者で
さらに黒崎さんが大きく関わってくる関係上、隊主会での詳細が伝えられた
僕が同席したのはそのついでだ
ソウルソサエティに造反した藍染隊長たちは虚を束ねて創りだす新しい勢力でソウルソサエティに侵攻してくるのだという
現世のB級映画みたいな突拍子もない話だ
でもあの日あった出来事は本当だ
ルキアさんはさっそく現世に行く準備をはじめてる
僕にはなにができるだろう
黒崎さんはきっと協力してくれる
ルキアさんは戦うと言うに決まってる
僕にはなにができるだろう
力が足りないのは僕自身よくわかってる
四番隊が治療しか役に立てないこともよくわかってる
それでも
それでも僕は死神だ
そしてなにより、僕はルキアさんや黒崎さんの仲間なんだ
だから僕は必ず―
必ず
.
ビビりっ子花ちゃんが小さな勇気を振り絞るとこが書きたかったのに…(泣)