短編読み物置き場

□★祝200、300、400,ヒット記念ミニ小説
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 家のなかに通された俺は、促されるままソファに座っていた。

 男は、キッチンでお茶の準備でもしているのだろう。

 きれいに片付けられた室内は、白で統一されていて、まるでホテルのようだ。
 白いキャビネットの上には肩を寄席あい、幸せそうに微笑むカップルの写真が並んでいる。

 なんとなく俺は、イライラとした。

 それは、一度は経験した事はある、嫉妬というものだろう。

 俺は立ち上がり、キッチンへと向かった。

 キッチンでは、男が、慣れた手つきでカップを準備している。

 俺は男を、後ろから抱き締めた。

「あッ!……止めてください」

 急に抱き締められて男は小さく甘い声をだし、俺の腕に両手を添え、引き剥がそうとする。

 男の左手の薬指の指輪が妙に敏感に感じられる。

 ムカつくな。

 指輪はあの写真の女に貞操を誓っているのに、こいつは、この男は、俺を煽る。

「何が止めてなんだよ、誘ってるんだろ?俺は優しい人間なんかじゃないんだぜ」

 俺は、男の股間を乱暴に掴んだ。

「ッあ!」

 ガシャン―――

 急な刺激に、カップに男の手が触れ、台から固い床に落ち、音を立てて、真っ二つに割れた。

 本当に止めて欲しいなら、本気で俺を拒めば良い。
 そんな声を出さなきゃ良い。

 俺は男のベルトを外すと、パンツの中で窮屈そうに立ち上がりかけたものを、外へと解放してやる。

「あッ!」

 俺は男のものを手に包み込むと、ゆるゆると扱く。

「んッ……ダメッ…ダメですッ」

 熱を持った男のそこは、ドクドクと脈打ち、俺の手の中で、質量を増していく。

 先端からは蜜を溢れさせ、俺の手をヌルヌルと濡らし、動きをスムーズにさせる。

「何がダメなんだ?こんなにヌルヌルにして喜んでんだろ」

 わざと、ぐちゅぐちゅと音を立てて激しく扱いてやると、身体をビクビクと震わせ、快感に耐えている。

「あッ……ッあぁ、ダメッ……イちゃう……」

 その言葉に、俺は男の物から手を離した。

 潤んだ瞳が、こちらを向いた。

 イキたい。

 瞳がそう訴えていた。
 
「どうした?」

 俺は興奮を抑えながら、ニヤリと笑う。

「止めて欲しかったんだろ?止めてやるよ」

 俺はその場から離れようと後ろを向いた。

「待って……」

 俺の腕を掴むその手は、熱を帯びている。

「何?」

 俺は動きを止め、振り返る。

 真っ赤に染まった頬、潤んだ瞳、少し開いた唇。

 ぞくりとする。

「続き……続きをしてください」

 俺を求める小さな声に、俺はたまらず、男の唇に、激しく口付けた。

「んッ…んぅッ……ッン」

 俺の舌の動きにあわせるように舌を絡めてくる。
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