Starry☆Sky

つきコン転校生
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(※色々時間軸バラバラです)










「…え、転校生?」


「はい!この間私のクラスに土萌羊君って子が転校してきたんです」


「転校生かー…。良いなー…星詠み科は中々転校生来ないからねー」


「それで…ゆきほ先輩に是非紹介したいんです」


「え、何々…もう学園のマドンナである月子ちゃんとそんなに仲良くなったの?」


「いえ…その実は羊君とは幼馴染みだったんです」


「ど、ドラマか!」










つきコン転校生










そんなやり取りをしたのが朝。
是非昼休み会いに来てくださいと言われて現在私は天文科の教室前。


うーん…朝は月子ちゃんに是非会ってほしいとは言われたが…。
人見知りするタイプではないんだけど。
緊張…?





「どうしよう…、」


「あ、ゆきほ先輩来てくれたんですね!」





いやん、月子ちゃんタイミングが悪い。
教室には元々居なかったらしく、何冊かの教科書を持って走って来る月子ちゃん。
その後ろには錫也君と哉太君と…、ピョコピョコとアホ毛が動く男の子。
色々頭の中で考えていたら、急に月子ちゃんが目の前で足を滑らせた。





「きゃっ…!」


「「「月子!」」」





咄嗟に自分の身体が動いて駆け寄る。





「っ……と…ギリギリセーフ」





私はなんとか月子ちゃんを支える事が出来た。
うん、ナイス私の反射神経!





「す、すみません!ゆきほ先輩」


「いえいえ…大丈夫ですよー」


「ったく…お前何やってんだよ!ゆきほ先輩が居なかったらずっこけてたぞ!」


「まあまあ哉太。そんなに怒ってやるなよ。ゆきほ先輩もすみません」


「大丈夫だって」





月子ちゃんも反省してるんだよねー。
苦笑して月子ちゃんの頭を撫でた。





「僕の月子に触らないでくれない?」





………、どういう事だろう。
月子ちゃんを撫でていた手を、例の転校生に叩かれた。





「羊君!」


「おい羊!先輩に何やってんだよ!」


「今のは良くないぞ、羊」


「………」





ヒリヒリと痛む左手を抑えながら、私は彼の真っ赤な目を見つめる事しかできなかった。





「僕の月子に触る方がおかしい」





彼の目は私を受け入れていない。
最初目が合った時から思ってはいた事だ。





「誰がお前の月子だ。先輩に謝れ!」


「何で僕が謝らないといけないの?」


「…待った待った!
えーっと……うん、私が悪かった。ちょっと頑張りすぎたよね…。騎士の見せどころ奪ってごめんね?今回は許してもらえるかな?」


「………」


「な…、ゆきほ先輩が謝る必要ないっすよ!」


「まあまあ哉太君…。…で、許してもらえる?」


「……二度と月子に触らないならね」


「うーん…。それはちょっと無理かな〜?でも別に私は月子ちゃんと恋人になりたいわけじゃないし…。親友として接するのもいけない?」


「羊君…ゆきほ先輩は私の大切な先輩なの…」


「……月子がそう言うなら」


「うん!良かった良かった。じゃあ仲直りだね。
月子ちゃんから転校生が来たって聞いたから友達になりたかっただけなんだよ。
三年星詠み科の不知火ゆきほです!よろしくね」


「月子が言ってたから知ってる……土萌羊」


「羊君ね!なーんだ…素直で可愛い!」


「!」





私が羊君の頭を撫でたら、羊君はとっても驚いた顔をした。





「ゆきほ先輩、良かったら今から一緒にお昼食べませんか?」


「えー…錫也君のお弁当なくなっちゃうから良いよ」


「いっぱい用意してますから、大丈夫ですよ」


「私もゆきほ先輩と食べたいです!」


「食べましょうよ先輩」


「うーんー…」


「良いですよね?ゆきほ先輩と羊?」


「……わかったよ」


「…はーい」





錫也君には勝てなかったです。










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