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□睡
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 次の授業は古典だった。
この時間に、この授業をされると本当に眠い。
 この先生の声を聞くと眠くなる、というのは誉め言葉か何なのか。
  これは遊星も例外でなく。
  遊星に人間扱いされなかったジャックは例外だったが。


 「よーし、終わったああ!!」
予鈴が鳴った瞬間に歓喜をあげるクラスメートがいる。
この日は掃除が無く、HRが終われば退散する、という事になっていた。
 そしてそのHRも終わり、クラスメートは次々と教室を出ていく。部活動だ。
 「・・・・・・・・・」
遊星はそのまま机に潰れる。また寝るらしい。
教室には誰もいない。静かだ。
今日は珍しく、本当に、眠いらしい。
 因みに遊星は部活動に所属されていない。
だが、時折運動部の試合に呼ばれたりする。本人は訳が分からず。
ジャックも無所属だが、最近何処かの運動部に呼ばれているらしく、寮の部屋に戻ってくる時間は遅かった。
 教室から本当に小さい寝息が聞こえる。聞こえないけど。



 「あんた、教室に携帯を忘れるってどんなんだ!」
 「ご免なさい!・・・でも気づいて良かった・・・」
女子二人は早歩きで自分達の教室に急ぐ。
この時間帯はほとんどの部活動が終わる。二人もそうだった。
 「ちゃっちゃか取りに行って寮に戻るよ!」
 「あいあいさー」
呑気な返事を返しながら二人は早歩きで教室に向かう。
なんやかんやで仲がいいのだ。
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