おはなし

□プロレスのアレ
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「電気アンマッてさ。」
「…!?ゲホッ!」

10代目はペンを置き不意に顔を上げて俺に問い掛けてきた。俺達二人は俺の家で宿題をしている最中だった。正式には10代目に宿題をお教えしていたんだけどな。10代目の予想外な問い掛けに俺は飲んでいたコーヒーで噎せてしまった。10代目の口からまさかそんな言葉が…。
「急にどうしたんですか?」
俺はティーカップを手にしたまま返事を返す。
「昔、よくクラスの人にされてたんだよね。ダメツナにやんのおもしれーとか言いながらさ。」
ガシャンッ
俺はティーカップを落としてしまった。幸いにも中身はもう無く、ティーカップも割れずに済んだ。
10代目はティーカップを落とした俺に動揺している。いや、動揺しているのはこっちの方だ。動揺というよりムカつきか?10代目の股間に俺より先に触れた奴がいたなんて。しかもクラスのヤローに何度も、足で、10代の可愛らしい肉棒と袋を足で振動させていたなんて…。たとえ服越しだとしても許せねぇ!その時10代目は痛かったのか?もしや気持ちよかったのか?クラスのヤローがおもしれーって言ったって事は10代目はあの可愛らしい喘ぎ声を野蛮な男供に聞かせたのか?…許せねぇええっ!!
「獄寺君、大丈夫…?」
色んな思考を巡らしていた俺に、大丈夫かという確認が入った。10代目は苦笑いをしてらっしゃる。そういや俺、歯軋りしながら拳を握りしめていたような。怖がらせたか?すみません…。
「大丈夫です。ところで電気アンマされてまさか気持ちよかったんですか?」
…つい聞いてしまった。10代目は頬を真っ赤にして首を振る。
「っ全然!」
……はぁ、ぜってー気持ちよかったんだな。だって10代目は多少マゾだし。あー、俺もヤりてぇ。10代目のヤらしい声聞きてえ。

「やってもいい?」
え?
「俺さ、された事しかなくてやった事無いんだよね。だからやってもいい?獄寺君。」
は…はあぁあ!?冗談キツいッスよ10代目!俺がするならともかく10代目が俺に…。色んな意味で股間爆発する。
「い、いえ結構です!山本にやってあげてください!」
俺は後ずさりながら言う。すると10代目は悲しげな顔をした。
「獄寺君、俺の事嫌いなんだ…。そうだよね、電気アンマは信頼関係が無いとできないって言うし。」
「是非電気アンマ、お願いします!」
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