ショート
□酸素が足りない
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「おい赤也と丸井!!早く走らんか!!」
俺がその二人にたるんどるぞ、と言うと彼らは走りだす
「俺はよかの??」
「うぎゃわっ!!」
変な声が出てしまった
後ろからヒョコッと顔を覗かせたのは仁王だった
「俺は走らんでよか??」
お前もに決まっているだろうと言うつもりだったのに声が出ず、なぜか俺の心拍数は上がっていた
(休憩はしっかりとったはずだが……)
たるんどると自分に言い聞かせても心拍数はさらに上昇し、息苦しくなって、さらには耳や顔が熱を帯びてきた
「真田……?」
どうにか息を吸って、お前も走るのだ と言うと
顔を覗きこまれ
「お前さん大丈夫か」
と聞かれた
顔が近くなり、なおさら呼吸ができなくなったためとても苦しかった
かろうじて頷くと、今日の真田なんか変じゃな と言って走りに行った
確かに今日の俺はおかしい
まだ仁王と話していた時の火照りが残っている
自分は病気なのだろうかと思っている真田の後ろで、柳が「弦一郎が仁王に恋をしている確率100%」と言っていた。
酸素が足りない