短編
□君の温かさ=優しさ
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季節は冬
一面雪で真っ白の世界
それなのに今私とレギュラス君は中庭にいる
私は防寒なんて全くしていない状態だ
「さん先輩…こんなに寒いのにどうして外なんかに来るんです?」
あきらかに寒くて不機嫌なレギュラス君を見て私は苦笑する
「ごめんね;でも雪を間近で見たかったんだもん」
「はー…子供ですか貴女は…」
「まだまだ子供だよ!」
レギュラス君は、きっと私をバカにしたのだろうがそんな事は気にしない
ただただ空から降ってくる真っ白な雪を見つめる
「綺麗だなー…」
「僕は雪なんて嫌いです」
突然の言葉に何で?と聞き返すと、冷たいからとだけ返ってくる
そんなレギュラス君が可愛くて仕方がなかった
クスクスと笑うと、レギュラス君の手が私の手にそっと触れた
「さん先輩の手こんなに冷たいじゃないですか」
「んー慣れちゃった」
そんな事に慣れないで下さいと、レギュラス君に小突かれた
私は小突かれた所を擦ると、自分の手がどれだけ冷えてたのかがわかった
「手が冷たい人って心が温かいって言いますよね」
そんな事を言うレギュラス君を私はキョトンと見つめる
すると、何ですかなんて言って私を見てくるレギュラス君
私はそっとレギュラス君の手に触れる
「レギュラス君の手は温かいね…でもレギュラス君は心も温かい…」
「…僕の心は冷め切ってますよ」
「そんな事ないよ!だって私の事心配してくれるし、今だってこうやって中庭まで付いて来てくれた!」
だからレギュラス君は優しくて温かい人だよ
なんて言うと、レギュラス君はそっぽを向いてしまった
しかしこちらから見えている耳は真っ赤だった
それを見て少し笑うと、不機嫌そうなレギュラス君が私の手を取り中に戻ろうとする
「あんまり長居すると風邪ひきますよ…」
「…そうだね、戻ろうか」
私の心配をしてくれたのかレギュラス君は自分が着けていたマフラーを私に巻いてくれる
私の手を握るレギュラス君の手は、とても温かかった
(やっぱりレギュラス君って優しいよね)
(僕が優しくするのはさん先輩だけですよ)
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