短編

□恋なんてしない
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私の友達は好きな人がいるらしい
話を聞くと、恋は苦しくなったりするって言っていた
そんな辛いなら何故恋するの?

私は恋なんてしたくない




「レギュラス君ってさー、恋した事ある?」


突然の質問に隣で読書していたレギュラス君は私を怪訝そうに見た
ちなみに彼は私のひとつ下の後輩


「いきなりなんですか…」

「いいから答えて」


バカにする様に見てくるレギュラス君
でも私は気にせずに答えを待つ
そして返ってきた返事は


「今してますよ・・・・恋」


聞いといてなんだけどビックリだ
あのレギュラス君が恋だなんて


「今、失礼な事考えませんでした?」

「いえ、考えてません…」


そう言うとジーッと見られたが、しばらくして本に目を戻した
そして読みながら私をチラッと見て逆にレギュラス君が質問してきた


「さん先輩はしてないんですか?」

「辛い思いしてまでしたくないよ」


簡潔に述べると、レギュラス君はため息をついて本を閉じた
そして私と向かい合う


「それが恋なんじゃないんですか?」


私は黙り込んでしまう
恋なんてした事ないし正直よくわからない
でも苦しいなんて嫌だ

一人で考え込んでいるとレギュラス君がいきなり私の手を握ってきた


「僕は今恋をしてます…さん先輩…貴女に」

「へっ?…私…に?」


顔が赤くなるのが自分でもわかる
鼓動が速くなる
これが恋…?


「僕と恋してみませんか?」


そんなセリフ反則だと思う



前言撤回
私はレギュラス君に恋をする

恋ってなかなかいいもんだ





(で、付き合ってくれるんですか?)
(うん。)




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