SECRET LADY

□a.m.DOLL
2ページ/5ページ



いつも通り。


ただ、眺められるまま

私は 身に纏うドレスをすべて、脱ぎ落とす。



「 あ … 」



青年の、細く長く、白い指先が


私の鎖骨を


腹部を


そして 乳房を、その先を、

無言のままに、撫で上げ、時々 ゆっくりと摘み さすり 掴む。



私は 乱れ始める。


青年は ただ 暗い無感情な眼で、そんな私を ただ 眺める。



やがて 青年は 自らを包んでいた、至ってラフな白いシャツに サイズの合わないジーンズを脱ぎ捨てる。



くる……。



きて……。



オネガイ ダカラ。




私の躯は 内側から焼けついてしまいそう


上質なシーツを この爪で 引き裂いてしまいそう




「…っ……! 」




熱い



熱い 熱い




何故 この男は

こんなにも冷たくて


そして 熱いのだろう




幾度となく 揺さぶられ。


幾度となく 燃え尽くされ。



豪奢なはずのベッドのスプリングは、彼と私の重力によって


幾度も 幾度も


悲鳴らしきものを 上げた。












SECRET LETTER

TOP










次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ