INTRO.T

□SNOW
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白い 塵芥


降りつもる



あなたへの 餞でしょうか






死んだら

本当に『無』ですか?


だったら




私が視ているものは

夢 か 幻 ?



…有り得ない。


いや…


『死神』すら存在した

『死神世界』までも



と なれば


この不可思議な現象は

あるがまま、
受け入れた方が良さそうだ



何せ


私自身『死んだ』はず
なのだから



正確には『殺られた』
…の方がより現実的


…思い返せば口惜しいです


負けることは大嫌いでしたから




しかし、どうやら今の私は

只の意識体に過ぎなく

五感の中で唯一、
視る、
ことしかできないらしい



嫌ですよ、もう…


『死神』の次は
『幽霊』だなんて


では私、
残留思念の権化ですか



納得できません。しません。






……でも、 もし



『死神』がいたから


『神』に似た何者かが
存在するならば



私の

微々たる想いの欠片




拾ってくれたんですかねぇ…?



人智を超えた事には

逆らえませんよ 抗えきれませんよ、まったく…






深々とした 夜更け


限られた視界に映るのは



静かに 静かに



舞い落ちる、雪 と



その白に染まってゆく




一人の青年の 亡骸だけ




…こんばんは





ビヨンド・バースデイ











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