INTRO.T

□fair later cloudy
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ちょっと面倒くさいけど



あいつが誘うゲームは


いつも


いつだって 面白かった






一番ってやつになれないことを悟ったのは

もう 随分昔の話になる


「 あの存在 」を引き継げる器じゃないと知ったのは

もっと昔の話になる



いつか それとなく

あの人から送られた問いに
(正確には渋っ面の管理人越しだが)


俺は

即答することができなかったから



でも あいつは

まだ変声期途中の掠れた声で

渋っ面の質問者の向こう側を睨みつけるように

瞬時に答えてた



夕沈みがささやかな静寂を運ぶ

薄暗い 院の中


即答したガキはもうひとりだけ


そいつの事はよく知らない


ただ

「 あっち側 」を睨みつけた
あいつは面白いと思った





『 日本へ行く 』


…おまえはいつも唐突だよなぁ


俺が断らない事も承知の上




いいよ


おまえのゲームはいつも面白いから



…彼の人への弔いは

俺ら流に



花束より 銃弾。





おまえなら

多分 …になれるよ



俺が躊躇した あの時の問い


実は未だに即答できないんだって知ってた?



…ほら


知ってて おまえは


今も俺を誘ってくれる



しょうがないから

いつもの銘柄のチョコレートルートも確保しといてやるよ



出発は明日に延ばした



俺は 空っぽの墓でも

野の花くらいは
ばら撒いてきたかったからさ








2008/1/22 m(散文)m

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