INTRO.T

□Eclipse
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あのとき


僕は、なぜ








白い死神に目線を送る。

「合図」の意だけをこめて。



さあ…


始めよう。



そして 終幕だ。




これで 終わり。


そして 始まる新世界。



死神が壁を抜けた。



相も変わらぬ間抜けな捜査員たち。


どうでもいい。



もはや僕の目には


見慣れた、

膝を抱えた細い後ろ姿しかみえない。


櫛もいれない黒髪。


骨ばった肩。



白く 細いうなじ。



長い指先には 銀のスプーン。



…なんでも 摘むんだね




「どうした…ワタリ」




あぁ



はじまった




[[[ All Delete ]]]




はは、完璧。



流石 「 L 」だよね



何も 残さない




何も



遺さない




ゆっくりと、まるでスローモーションのように



指先から

離れていく銀色。



音もなく



声もなく



おまえは堕ちていく




その漆黒が閉ざされるまで


僕がみていてあげる




僕以外のものなど


意味もないだろう?



何も遺さないから


せめて最期に笑ってやるよ



さぁ


ゲームの勝者は決まった。



気分がいい



素晴らしい記念日だ

瞬間だ



さ よ な ら


竜 崎



色々 愉しかったよ






でも




どうして あの時




骨ばったきみの躯を

抱きとめたんだろう





きみが





固い床に

叩き堕ちる 前に










07/12/26


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