Birthday企画2010

□今日って何の日?
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「え…?どうしてここに…?」

三人とも、用事があるからと言って帰ったはずじゃなかったのか。
僕が再び何かを言おうと口を開くと、ガイ先生がそれを遮るように明るく僕の背を叩いた。

「お前〜!窓のカギを閉め忘れていたぞ、物騒な!」

そして、それに続くようにテンテンとネジが口を開く。

「ま、でもそのおかげで準備出来たんだけどねっ」

「窓から入る俺達もどうかと思うがな…」

いまいち、僕は状況が掴めないでいた。
何も言えずに、固まっていると

「もぅ、リー。今日って何の日よ?」

テンテンが腰に手を当てて、半ば呆れたように尋ねてきた。

「今日は…僕の誕生日、です」

「そうよ!それでみんなでお祝いしに来たんじゃない!」

「あ…」

そうだったのか。
僕はようやく、事態を飲み込む事が出来た。

言われてみると、笑顔の三人の後ろのテーブルには数々の料理が。
壁には、わっかで作られた装飾までしてあるではないか。

嬉しくて、僕の視界がじわじわとぼやけて行く。

「よーし!今日は朝まで大騒ぎだぞ!!
おっと、酒は無しだからな」

「そりゃ当然ですよ!
…あ、ちなみに料理はほとんどネジが作ったのよ!凄いでしょう!」

「何でお前が得意げなんだ…。
全く。ガイとお前が全然料理が出来ないからって、俺に押しつ…」

「ネ、ネジ!それは内緒って言ったでしょうがっ!」


ワイワイと賑やかな空気に包まれて、僕は自然と笑みが零れた。
こんなに居心地がよくて、こんなにも優しい人達に囲まれて。

(僕は、何て幸せ者なんでしょう)

今更ながら、実感してしまう。

「ほら、早くこっちに来なさいよ!料理が冷めちゃうわ」


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