Birthday企画2010
□手紙に添えた花
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夕方。
僕は一日の修業を終え、演習場を後にしようとしていた。
ガイ先生とテンテン、ネジの三人は、それぞれ用事があるから…と言って先に帰ってしまっている。
なので、今日は僕一人での帰宅だ。
夕日が空を赤く染める中、ふと前を見ると。
「あれ?」
小さな人影が一つ、演習場の入口辺りにぽつんと立っていた。
目を懲らして見てみると…。
ドキッと、僕の胸が跳ねた。
あれは、紛れも無い。
見間違えるはずが無い。
サクラさんだ。
僕に気付いたらしいサクラさんは、なんと小さく手を振った。
(こ、これは…僕に向かってですよね…?)
後ろを振り向き、辺りも見回す。
…僕意外は、誰もいない。
半信半疑になりながらも、僕はそっと手を振り返してみた。
すると、サクラさんは嬉しそうに微笑んだではないか。
そうと分かれば、急がなければ!
ダッシュで、サクラさんの元へ走る。
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