Birthday企画2010

□午前0時
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「ふぅ〜お前がなかなか気づいてくれないもんだから、どうなるかと思ったぞ」

ガイ先生は汗を拭いながら、ふぅっと一息。

「あの…」

イマイチ何が起こっているのかよくわからない僕は、ガイ先生の様子を伺いながらそっと尋ねる。

「一体どうしたんですかこんな時間に…。
もしかして、緊急の任務ですか?」

そんな質問に、ガイ先生は驚いたように僕の顔を見た。

「何を言っているんだ!
今日は特別な日だぞ?」

特別な日…?今日が?
僕は首を傾げ、壁にかかっているカレンダーに目を向ける。

今日は11月26日。
いや、さっき日付が変わったのでもう27日だ。

「あ…」

そこで僕は、ようやく思い出す。
そうだ、今日は…。



今日は僕の誕生日だ。



「誰よりも1番に、我が弟子の誕生日を祝おうと思ってな!サプライズだ!」

ガハハと豪快に笑うガイ先生に、僕はじん…と感激する。
ガイ先生はわざわざ僕の誕生日を祝うために、こんな風に体を張って僕の部屋まで上ってきたのだ。
とても先生らしい、お祝いの仕方だ。

「本当に、お前はいつも頑張っているなっ!
自分の忍道を貫くために、毎日努力をしている。
俺の最高のまな弟子だ!
これからも、修業に励めよ」

するとガイ先生は優しい笑顔で、僕の前に箱を差し出した。

「これは、俺からのプレゼントだ」

僕が箱を受け取ると、ガイ先生は急いで窓の方へと歩いて行き

「では、さらばだっ!」

窓の桟に足をかけ飛び降りるのかと思うと、ふと何かを思い出したように僕の方を振り向いた。

「おっと、大事な事を忘れていたぞ…」


そして
月明かりを背に、父親が我が子に向けるような、そんな優しい笑顔を僕に向け


「おめでとう」


そう一言言い、風のように窓から飛び降り、去っていった。



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