短編(七竜2020/1周目)

□大好き!!
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大好き!!






「リーダー! リーダーって、おれとロザ、どっちが好き?」


ここはムラクモ13班の自室。

部屋に備え付けられた簡易キッチンで、今日の当番であるセージは夜ご飯を作っていた。
和食が好きなセージは、作るものも和食が多い。

火にかけられた鍋には、煮物が入っていた。先程、魔物を討伐して手に入れた貴重な食料が入っている。


「そんなこと急に言われてもな」


苦笑するセージに、クーは再度食いつく。


「ねえ、どっちが好き? おれ?」

「……クーも好きだよ」


キラキラと瞳を輝かせていたクーは、その返事に少し頬を膨らませた。
その様子に、ロザリーが得意そうに微笑む。


「ほら、ボクの言った通りだろう? セージは優しいから、二人とも好きとしか答えないさ」

「でも、リーダーは猫より犬が好きなんだ。
リーダーは、ロザのことは猫っぽいって言ったけど、おれのことは犬っぽいって言ってくれたし!
イコール、ロザより俺の方が好きだって!」

「何を言ってるんだい? セージが和菓子大好きなのはクーちゃんも知ってるだろう?
しかも、あんこは粒あんが好きなんだ。ボクは粒あんが好き。クーちゃんはこしあんが好き。
イコール、セージはボクの方が好きに決まってるさ!」

「うー、何だよー! それは無理矢理じゃないかー!」

「自称犬っぽいには言われたくないね」

「自称天才のくせに!」

「自称じゃないよ。本当にボクは天才だからね」


急に言い合いを始めた二人に、セージは大きく咳払いをする。

それを合図に、二人は黙り込んだ。


「……とりあえず、夜ご飯にしようか」

「はーい」

「分かったよ」


仕方なく、と言わんばかりに、二人は食事の準備を始める。

食事当番の人は食事だけを作り、それ以外の人が準備と片付けをする。これは、自炊をし始めてから自然と出来た13班のルールだった。


「じゃあおれら、配給んとこでご飯貰ってくるね!」

「この間みたいに走ってこけないでよ? 一緒に居るボクの方が恥ずかしくてたまらないよ」

「あれは! おれが悪いんじゃなくて、この服の裾が――」



クーとロザリーが扉を閉めた音を合図に、セージは小さく息を吐いた。

セージの頬は、誰が見ても分かるほど、朱色に染まっていた。






************


にゃんこ系女子のロザリー。わんこ系男子のクー。真面目系男子なセージ。

にゃんことわんこは、ご主人様が好きです。


うちの13班のイメージ。
 

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