my little ”alo”!

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「じゃあ行ってくるね!」

「あ゙ぁ。」






アーロがラボへと向かう、別れ際。

いつもいつも、この瞬間はアイツがどれだけ気丈に振る舞っているのかが、よくわかる。

そんなアーロを見送り、俺は採集したデータのファイルを持って、別室へやって来た。






「今日もわざわざご苦労様。さて、被験体は…あら?今週は怪我の治癒が頗る早いわね。」



ファイルを隅から隅まで見つめる研究員。

俺が渡したファイルには日常の様子の他に、戦闘の様子・行動・結果、負った傷の箇所・数・大きさ・治るまでの期間…。

その他にも、アーロの事はとにかく事細かに、ビッシリと記してある。



「怪我だけじゃねぇ。身体も、驚くくらい成長スピードが早くなった。アイツの体に何か影響はねぇのかぁ?」

「とにかく、検査の結果を見てみない事には何とも言えないわ。」



「さっき血液と細胞の検査が終わって、今MRI検査をしてるところだ。データが送られてくるまで待ってなよ。」

「…マーモン!」



知らない間に、どこからともなくマーモンが部屋の中に入って来ていた。

フワフワと宙に浮いている体を、ストンと椅子の上に降ろす。



「やぁスクアーロ。あの子も大分、役にたってるみたいじゃないか。」

「あ゙ぁ。兵器の戦闘能力に人間の脳みそが付いたんだ。研究者達の思う壺だぜぇ。」

「いよいよ研究も佳境さ。ま、その分リスクが心配だけどね。」






渡されたコーヒーに口を付け少し考え事をしていると…

「あっ、来たわ!」

コンピューターに映し出される、意味不明な記号やら専門用語。

それを食い入るように見つめるマーモンと研究員。



「…思った通り、何だかあまり良くない予感がするよ。」

「はぁ…。やっとここまで来て、成果も出てるのに…またやり直しね。」

「あ゙ぁ!?どういう事だぁ!!」

「いい?このグラフと数値は…」


研究員でもない俺には、コイツらが何を言っているのかご丁寧に説明されても、さっぱり分からねぇ。

一通り専門的な言葉で説明し、最後にマーモンが顔を俺にじっと向けて、こう言った。






「要するに君に協力してもらっている残り3ヶ月の間で、被験体の細胞分裂が停止し死滅する確率が約90%…って事さ。」






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