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キーンコーン
カーンコーン









3限終了の鐘がなる。




「よーし。今日はここまでー」




「きりーつ、れーい」





美和子は変わらず、右手に頭を乗せ、肘をついていた。
窓の外から見える海をぼんやりと見ている。




「美和子ー?お昼いこ?」



ぼんやりとした頭に響く、可愛らしい声。

ハッとして、その声の方に頭だけ向けると、萌子がすでにお弁当を持って、美和子の右側に立っていた。


「…あ、れ?
授業終わったの…?」



その言葉に、
萌子はズルッとこけた。



「まさか、目開けて寝てたの?」


呆れ顔の萌子。
美和子は欠伸をしながらそのまま両手を上げ、伸びをした。






「昨日、バスケ部の練習見にきてたろ。」


鞄からお弁当を取り出し、立ち上がろうとしていると、越野がポケットに手を突っ込んでやってきた。



「何で、知ってんの?」



「体育館にいるの見かけた。」


「ふーん、、
って、越野も練習見てたの?バスケ部の」


「練習見てたの?って……
俺もそん中いたんだぞ!?俺もバスケ部だ!!!」


え、そうなの?と萌子の方を見る美和子。


「なーにぃー!
知らんかったんかっ!!」


越野は顔を赤くして怒っている。
その様子を見ていた萌子が笑っていると、





「越野ー」






と廊下側の方から越野を呼ぶ男の声がした。
美和子と萌子がその声に気付き、そちらを向く。
越野も後から、ああん?と赤くしていた顔を向ける。

美和子は、大きく目を見開いた。
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