□好きだよ!オレだって。
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あれからというもの、元と顔を合わせることが無くなった。
今までしつこいくらい「央クン」ってまとわりついてたくせに、いざこうなると調子が狂ってしまう。
・・・まあ、そうさせたのはオレだろうけど。
「はぁ・・・。今日も来ないか・・」
朝7時。
カーテンの隙間から外をのぞく。
けれど外に人影は見当たらなかった。
「元の、バーカ。アホ、ガキ、バカ・・」
人がせっかく返事しようとしてるのに、逃げるかよ、普通。
そりゃあ、オレの態度が悪かったのかもしんねえけど、でも。
オレだって、それなりの覚悟してたのに。
相手は年下で、しかも男でさ。
幼馴染で、それに、多分オレが・・・その、女役だろうし。
元は知らないだろうけど、オレ、元のこと大分前から好きだったし。
「はー・・。用意すっか」
まあ、そんなこと今更言ってもしょうがない。
今は元だってオレだって、気持ちの整理をするべきだと思う。
オレも、落ちついたらちゃんと、元に会いに行こう。
それくらいは、年上の威厳っつーモンを見せてやんねえとな!

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