□好きだよ!いやマジで。
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「なあ、お願いだから・・・頼むから、オレのこと、ガキ扱いなんてしないで」
あ、泣きそう。
元が、泣きそうな顔でオレを見る。
「元、」
情けない声が出てしまう。
その声を聞いた元は、ハッとしたように手を離した。
「あ、!ごめん、ごめん央クン、オレ」
「いや、大丈夫だよ。それより、」
「何やってんだろオレ・・・。ごめんね央クン、朝っぱらから。忘れていいよ、ごめん、オレ学校行くわ。また、今度」
「元、待て、オレは・・・」
元を、傷つけるつもりはなかったんだ。
今まで元の告白を流してきたのも、オレが認めたらオマエが離れていくんじゃないかって思ったからだよ。
気持ち悪いって、引かれると思ったんだ。
なあ、元。
オレはさ・・・―――。
「ごめん、今は聞きたくない」
元が、部屋から出ていく。
オレは元を追いかけることが出来ないまま、
遠ざかる足音だけを、聞いていた。

Fin.
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