□好きだよ!いやマジで。
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そのまま、何も言わずにじっとしていた元が、小刻みに震えだした。
(え!まさか泣いて・・・?)
まさか、まさかな!
元が泣くわけねえよな・・・?
恐る恐る元の顔を覗き込む。
「はじ・・・っ」

いきなり、胸倉を掴まれた。

「うおっ!」
驚きながらも元の顔を見ると、元は笑っていた。
嬉しそうにではなく、悲しそうに。
「・・・元?」
「ははっ、央クン、何言っちゃってんのよ。遊び?何が?オレの態度が?オレの央クンに対する態度が遊びに見えたの?」
「は?ちょっと待てって、何怒ってんだよ」
っていうか普通オレが怒るだろ。
何でコイツがオレに怒ってんの?
「怒るに決まってんだろ?何ソレ。オレが、どんだけキツい想いしてきたと思ってんだよ。ずっと、央クンを困らせないようにってガマンしてきたよ、オレ。なあ、あんたそんなこと知らなかったでしょ。そりゃそうだよ、だってオレ必死に誤魔化してきたんだもん」
「元、落ちつけよ、何言って・・・」
「オレは落ちついてるよッ!なんで、央クンはいつもオレを見ねえの?オレが何回好きって言ったって、いっつも流してきたじゃん。そのたびにオレ、またか、って思いながらずっと誤魔化してきたんだよ?すっげえ辛くても、それでも央クンを困らせちゃいけねえって思ったから!」
元が、いつになく真剣な瞳で、いつになく悲しそうな瞳で、オレを見つめる。
元、オレのこと、好きなの?
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