05/01の日記

08:14
ハタチの話。
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短いですがはたちの話。
毎年がんばってあげてるので今年も遅くなりましたが一応書きました。


・・・



お前なんだ、こんなはやくからバタバタして

早朝、まっちゃが忙しく家を出て行こうとするのを、夜遊びを、終えてやっと今から寝ようかと一息ついていたカラスが不思議そうに見ていた。

20周年って、すごいですよ!!!

眠そうな顔一つ見せずにキラッキラと輝く笑顔でこちらを振り向いたまっちゃを見て、あっ、とカラスは察した。
こいつ今日ダメなやつだ。

20周年だからっていろんなものがタダですタダタダ!!
素晴らしいですね!!20周年!!万歳!!
というわけで今日は一日タダ巡礼して来ます!!

苦笑いで、ああそうかい、いってらしゃい、と適当に流すカラス。内心めんどくさいと思っているのが如実に現れているが、まっちゃはそれどころではないらしくもう今にも家を出ようといった風体だ。

あっ、僕今日でハタチなんですよ!

出かけ間際にそういって、彼はドタドタ去っていった。

…あいつ、ハタチになったのか…

呆れた。たまにあいつケチすぎて恥ずかしいことするよな、もうハタチだってのに。
そんなことを思ったが、まあ、陰鬱な彼が明るく過ごすのは悪いことではない。

ただふと、彼が家に帰って来た後のことを思った。
一気にほとぼりが冷めてハタチになったことへの不安と無念に苛まれて沈む彼の姿がカラスには容易に想像できる。
ああ、めんどくせぇ。

カラスは欠伸をひとつ。

まあ、とりあえず寝るか、とカラスは自室へ向かっていった。

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