Alice? -long-

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城自体が広いのもあってか
部屋はかなり広い。

部屋の外には喪服の女性が立っている。
聞けば、交代制だと応えた
が彼女は申し訳なく思った

部屋に何があるのかと、
立ち上がって見渡す。


クローゼットの中には
同じマントと服が数着か、
また違った服も多種、

ドレスのようなものも
入っていた。


色は白と黒がほとんど。
たまに、ビビッドカラーやパステルカラーが
ある程度。

派手な色が少ない。
ぱっ、と見たが赤が無い。

そして、バスルームに
トイレと洗面室、寝室。
ドレッサーにクローゼット、ベッド。

文句は無い。
逆に完璧すぎる。



彼女は、何着もある同じ服に腕を通す。

髪飾りも、同じものが
いくつもあるヤツをつけた


しばらく、窓から外を見ていると扉のノック音が響く

「女王陛下がお呼びです」


私は気分が悪くなりながらも扉を開けた。

よくお似合いです、と

女性達が言う。嘘では無いみたいで、お礼で返した。

『どうして、貴方達は喪服なの?』

王座への移動中に
“国王"は一人の女性に声をかけた。

「女王陛下からの、ご命令です」

…女王、陛下…
先ほど受けた行為を、思い出すと

彼女の頭には自然と苛立ちが。


『女王様が好きで、周りにいるのかしら?』


彼女達は困ったように
顔を見合わせた。

多分、自分の“国王陛下”という立場を
考えてだろう。


『聞いてたでしょう。
私、男は嫌い。

相手が女王陛下でもね』

やっぱり困ったように
苦笑いをする彼女達。
やがて、口を開いた。


「我々は、トランプであるだけで満足なのです。」


静かに微笑み、美しい顔に出来る影が。


―――白ウサギ?


『…健気ね。優しくて、
いい人達で良かった。

嫉妬とかで刺されたり
したら怖いからね?』


―こんな力、知らないよ?


おどけて話す国王に
どこか、含みのある笑顔がある。


だが、それに気付いた
トランプ兵は、何も、言わなかった。


そう、…自分達は、ただのトランプなのだ。


コツコツ、…コツ





『女王陛下お呼びですか』





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