Alice? -long-

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暗い黒い道を走っていた。


あの子の声が私の名を呼ぶから。



“   !   !”



小さくてキコエナイ。でも、

呼んでるのは、ワタシ。

助けて、タスケテ、と。

叫ぶようにキコエル。


?聞こえてるの?わからない。

でも、呼ばれたら、行かなくちゃ、


?呼んでるの?わからない。

でも、あの子が、泣いてるから、


『、   』



ナマエを呼ぼうとした。


ガサッ


同時に、道を抜けた。

明るい木々と、大量の光が

いきなり目に入り込んで

暗闇に慣れた目が

真っ白に。



『うぇ、るかむ?わんだー…らんど?』


目の前にあるウサギの看板。



ココハーーーー。




『ーーー不思議の国』



「どうやってここに来たの」


聞こえた声は後ろから、

振り返れば、少年が。ただ

その頭にはウサギの耳が。

知っている。懐かしい。


「新しいアリスなら連れてきた。

君はどうやって『白、ウサギ?』

、!?…どうして僕の名前を」



白ウサギと呼んだ少年を

ただ見つめた。

目つきが鋭くなった気がする。

覚えてないみたいね、私の事


『白ウサギ、久しぶり。

覚えてないね、不思議の国では、

過去なんて、必要無いから、』


私は気にせず語りかけた。

彼は不可解そうに、眉をひそめる。

それでも、つらつらと言葉を続ける


『どうやって来たかって言うとね、

あの子が、私の名前を呼んだから、

聞こえる方に走ってきただけ、

ああ、そうだったわ。


ねえ、あの子はどこにいるの?』


「っ、あの子って、誰だよ、」


長い長い私の言葉に

戸惑いながらも答えてくれる彼。

でも、この少年なら、

知ってるはず、



『 メアリアン 』



そう言った時の彼の顔は

とても歪んでいた。






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