kurobasu -long-


□3
1ページ/2ページ








『はーなみーやくーん、離そうよー』






AM6:32今日は朝練が無いらしい。
女バスは元々無いからいいが。






「まだ寝られるだろ」

『朝ご飯作らなきゃ』

「彼氏置いてくなんて随分冷たいね」





それを貴方が言いますか。

いつも、酷いこと言う癖に。

何10分もベッドの中で、肩を抱かれて出られない。





『一限間に合わないよー?』

「クソつまんない授業聞くだけだろ」





眉間に皺をよせ、低い声が聞こえた。
ああ、これ以上機嫌を悪くしたら危険。





『花宮くん、何でもしてあげるから離して?』




顔色を窺いながら言う。
大体、されることは学んだつもり。




「…口開けろよ」





ほらね。


言うが早いか、花宮くんが頭を引いた。








『ん、っん…、』

「、」






何度も、何度も、
角度を変えて、






ガリッ







満足したのか最後に唇を噛まれた。
血が出てる。絶対。








『い、たいよ』


「じゃあ、俺のも噛めば」


『花宮くんってマゾだっけ?』


「な訳無いだろ、馬鹿が」







本当、いい笑顔ね。


生き生きしてる。マゾには見えない。
仕返しに、お望み通り噛んでやった。







「っ…はっ、どっちの血だよ」





彼が拭った指には少量の赤。
かなりのご満悦なようで。

口角があがってる。





朝食を食べて、登校時間。
間に合って良かった。
嫌なくらい機嫌の良い彼。






『?何でそんなに機嫌良いの?』


「…自分で考えろよ」


『んー…自惚れちゃっても知らないよ?』


「…うっぜぇ」

 














霧崎第一では、ある噂が流れた。






「木下さんと花宮くんの唇見た!?」
「知ってる、二人とも傷出来てるよね」



「昨日は無かったよな?」
「付き合ってるって噂マジだったのかよ」



「俺、木下さん狙ってたのに」
「俺も俺もー」







二年の廊下で、1人の少女が鼻歌を響かせていた。


やっぱり好きだなぁ







男子バスケ部部室にて


(ん?…何だ、この手紙)


(うわっ、全部木下先輩宛てじゃん)

(靴箱とかに入ってるヤツでしょ)


(はぁ!?アイツ知ってんのか!?)


(知らないだろ、あの先輩だと)


(((確かに…)))
(お前ら何してんだ)

((((げっ…/…!))))




アトガキ→

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ