kurobasu -long-


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「ねえ、林檎ー

1年の花宮君と付き合ってるの?」





あの後、
クラスに戻り普通に授業を受けて
何時間間か経つと部活。




耳に入ってきた友人の話は

たかが噂。されど噂。




一部には大切な情報。




『何で知ってるの?』

「噂になってるよー」
「いつから付き合ってるの?」

『最近かなー』

「本当にー?」



聞き出そうとする彼女達。

そこまで気にするのは、
内緒話が好きな女の性か
彼のことが知りたいのか。



『あ、ごめん。
 待ち合わせしてるからもう行くね』








この一線が重要。












「それで?満足なの。噂については」

『?何言ってるの。花宮くん』



男子バスケ部部室前。

彼の目が笑ってない顔からすると、
質問攻めが絶えなかったのだろう。



「とぼけんの止めなよ」

『とぼけてないって』

「…ッチ」

『初めて一緒に帰るね』

「…」



黙っちゃって、私一人で喋ってるみたいだった。
けど、人通りが少なくなったら手を繋いでみた。
眉間にすごい皺寄せたけど、振り払おうとはしない。
家まで、ずっと手を繋いでた。




『おじゃましまーす』

「大きい声出すなよ。迷惑」


『んー、つかれた。部活』


「…人の話聞け」



部屋に入ってすぐベッドにダイブ。
もう、怒ってないらしい。


『花宮くん』

「…なに」


スクールバックから部誌を出した。
何か書き込んでる。そっか。
監督だもんね。何だかんだ。




『きのう、告白されたでしょ』




「…」

『1年生だったね』




枕に顔を乗せると、花宮くんの香りがした。
うん、良い匂い。




「…はっ」




『なぁにさー』



ぼすっ、後ろに重心がかかる。
隣に花宮くんがいた。



『寝るのー?』

「黙っててくれる」

『…うんー』







ここは私の場所だから。
誰も踏み入れはさせない。





『ふふっ』


「うるさい」


『おやすみー』


「………おやすみ」






嫉妬よ、何か文句で?


(花宮くん、おきてー9時だよ)


(起きてる(寝るか、馬鹿))


(あの1年生、何組の子だったの?)



(何する気?)



(…しなーいよ?)



((嘘つけ。)泊まってくの)

(うん)




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