kurobasu -long-


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「…木下先輩、花宮をフりましたか」

「あ、別にネタとかにしないから?切実に」

「こっちはマジだから真面目に答えてください」

『……どうしたの。皆して』



私、モテ気到来?
年下に惚れられる要素あるっけ



「あまり長居すると…これ以上の被害は抑えきれない」

「っは、や、く、こ、た、え、ろ!」

『はぁ…別れてないよ?花宮くん好きだもん』



どうやら望んでいた答えでは無いらしい
堪えきれなくなった山崎くんが奇声を上げた。
ちょっと、目立つから止めてよ
ていうか短気すぎる…



「単刀直入に聞くけどさぁ…
 先週末から花宮の機嫌最悪なんだよね。
 先輩なら、理由知ってるでしょ」


『ああソレ…健太郎くんなら知ってるはずだけど』

「おいお前“検討もつかない”とか言っただろ」

「…原因は先輩じゃん」

「とりあえず説明をしてください」



機嫌が悪い、か
それは絶対に先週の自習の性だ。















「…」

『えーと、花宮くん?
 さっきからページ進んでないけど』

「で?」


声ひっくい!低すぎる!
図書室に来たにも関わらず彼は手元の本を読まず
健太郎くんを恐ろしく睨みつけている。

さすがに可哀想だと思い
呼びかけてご機嫌取りを行おうとするのだが
明らかに殺意がこもっている目は直らない。
逆に悪化している気がする…!


「俺、殺されたら林檎さんの性だからね」

『まさかこんなに拗ねるとは…』


元は生徒会への融通とか何らかの利益の為に
私と繋がったんだろうし、
そんなに執着は無い人だと思っていたんだが。
1つ1つのこと細かく思い通りに行かないと嫌らしい
そんな性格の悪いとこも好きだけどさ?


『あのね花宮くん?…ごめんなさい。
 まさか、そんなに怒ると思わなかったから、』



私達以外に図書室には人がいない

でも健太郎くんがいるのに

ガッ、と頭を掴まれて

首に鋭い痛みが走る

驚きすぎて声も出ないうちに離れて



「気に入らねぇ」



何が、とは言わず出て行く彼

首元が少し痛んだ。












ま、こんな事細かく説明していないけれど
彼等は全員で私の首元を見て苦笑いした。
(原くんはガム噛んでいて分からない)



「出来れば早期解決してくんない?」

『メールとか電話全部無視するんだもの』

「会いに行けばいい…じゃないですか」

『今、生徒会と部活で忙しいのよ』



冬が明けてきたら3年生の卒業式だから
私達は春の生徒会選挙やら卒業式の進行で忙しい。
もどかしいが、しょうがないんだよ
そう言ったら
原くんも揃って皆が皆…


苦虫を潰したような顔をした。



(はぁ、まだ続くのか)

(瀬戸くんは同じクラスだから別として
 山崎くん達に何か悪影響あるの?)

(…練習量が3倍になったのと八つ当たりの対処)

(…ごめんね)




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