kurobasu -long-


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窓の外は雪が降りそうだ。




『ねぇ、花宮くん』

「クラスに来るな。って前に言いましたよね」

『だって、私、朝練で会えなかったから』

「意味が分からないんですけど」

『自分は私のクラスに来るくせにズルイ』

「………チッ」





次の授業、彼のクラスも私のクラスも自習。
なんて都合が良いんだろう。

基本的には教室に居なくてはいけないのだけど…
居ても立ってもいられずに来てしまった。
本当は廊下から顔だけ見て
図書室にでも行こうと思ったんだよ。

そうしたら、目が合うなり出てきてくれちゃって…
私もう嬉しくて嬉しくて!



「あー花宮。俺先に行くから」



影から出てきたのは見たことのある
でこっぱち。



『健太郎くん久しぶりだねー
 …なんで逃げようとしてるのよ』



顔見るなり何処か行こうとするなんて失礼
ブレザーの裾を掴んで捕まえる。
いつも教室でアイマスク付けて寝てる健太郎くん
久々に立ってる所見たなぁ。

というかバスケ部は失礼な子しかいないの?



『どこ行くつもりだった?
 てっきり私に会いに来てくれたのかと』

「…そんな訳無いだろ。
 図書室に行くんだよ、健太郎と」

『そう。じゃあ一緒に行こうか
 ねぇ健太郎くん』


にこりと笑いかけると二人の顔が引きつる
…面白くなってきた。













『健太郎くんバスケ部入ってたのね』

「あぁ…まあ…誘われて」

『へぇ頭良いものね。だから誘ったの?』

「…そうだな」

『身長も高いし運動も出来そうだものね』

「…そうだな」

「俺は花宮のサポートなんで」

『うわぁ、謙遜しちゃって…』



こいつ等どういう関係だよ。
つか、健太郎も知り合いなら言えよ

(凄い悪寒したし…殺気に近くないか?)

林檎さんも言えよ
コイツだけ名前呼びな理由とかな?
その掴んでる裾も嫌に親しげなことも。



「(ボソ)林檎さん、本当止めてくれる。
 部活の練習量増えるじゃん」

『(ボソ)いや、だって折角だから…』

「お前等いつまで話してるつもりだ?」

『いや、特には』




声駄々漏れなのに隠すようなことか?

気に食わないな。





俺に隠し事とか?





あ、ヤバイ。
気づいたときにはちょっと遅かったかも



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