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□ポーカーフェイスを脱ぎ捨てて
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別に彼の仮面が嫌いなんじゃない。




「仁王くん、私の姿で校内を歩かないで頂きたい」


「ケチくさいのぅ」




下校しようと玄関を出る途中柳生に捕まった。
仁王が休み時間に柳生の変装でもしてフラフラしてたんだろう。





「せめて、私らしい行動をとってください」


「…プリッ」




飄々とした態度。
意味不明な言葉。
簡単に人を騙す。




「まったく…」


「また明日じゃな」




崩れる事ないポーカーフェイス。
読めない心理。




「すいません。引き留めて」


「ううん。大丈夫」




柳生と別れて他愛もない話をする私達。
帰り道は、人が居なくなると手を繋いだ。




「そしたら、ブンちゃんが…」




不思議が多い貴方を
嫌いじゃないし、格好良いと思う




「おかしいじゃろ」



けど



「あはっ変なのー」




やっぱり





「雅治」


「、なんじゃ」



名前を呼ぶだけで
上擦る声と



チュッ



「えへへ」


「道端で…やめんしゃい」



キスでほんのり赤くなる顔の方が
私は好きだわ。






仕返しと言ってキスする貴方。
二人して赤い頬を見られないように歩く。





負けず嫌いで、
詐欺師と呼ばれる貴方。



ポーカーフェイス?


そんな仮面脱がしてあげる。

だから
その赤い頬を見せて。





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