銀色アイデンティティ

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昼食はそのまま続けられた。


ただ
幸村は林檎について
静かに笑いながら問いかけている


「だって仁王が遊ぶ女子以外に
知り合いなんて珍しいだろ?」


まったく何が面白いんだか。

赤也や丸井の前で騒がれるよりはマシ。


でも
変に誤解されると、困る。



「普通に姉貴の友達じゃ。
仲が特別良いらしいのぅ」

本当のことだ。


幸村は穏やかに笑いながらも
頬杖をついて、足を組んでいる。

対して仁王は面倒くさそうに息を漏らし、足を組んだ。


そして、自然と昼食時間が終わり、クラスへ戻る。


幸村が手を振った。

俺と柳も手を振り替えした。



幸村が背を向けるとき、
鼻で笑われた。気がする。

…木下さんについての話は
幸村にしないようにするか。

と、心内で呟いた。





今日の部活は楽な方だった。

幸村の気分次第とはいえ、高校入って一番早い。

PM6:11に学校を出た。遅いと、
あと30分以上もテニスラケットを手にしている。


コンビニに寄るメンバーと、
真っ直ぐ帰るメンバーに別れて、
移動。


学校から近い為、
大きな移動とはいえないが。


「いらっしゃいませー」


自動ドアから、取り敢えず自分は飲み物の棚へ。


ちなみにコンビニメンバーは、
丸井、ジャッカル、真田、柳生と俺だ。
(赤也は中学だから居ない)


保護者と子供が上手く揃ったな。


コンビニを見渡してみると、よく分かる。



「あれ。弟くんだ」


…今、気付いたこともある。

…最近、頻繁に会うな。
(食堂はある意味偶然だ。
姉貴が話しかけて来なければ、
気付かなかったろうし)



この人がいるとは思わないだろ。



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