銀色アイデンティティ

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パタン、

と玄関の閉まる音がした。


「弟君はどっか出かけるの?

 ばったり玄関で会ったけど…

 あ、お邪魔します。」

姉の友達とやらは
靴を脱ぎながらも、横目で俺を見た
(木下 林檎とかいったか)

「いや…」

この女の言うことに応じるか…
渋っていると、姉貴が気怠そうに言い放つ

「アンタねぇ………

 いいから入るんなら早く入んなさいよ。

 林檎はリビング」


「…え。放置でいいの?」

オトコオンナ
男女(仮)は軽く会釈してリビングへ。

雨でぬれた赤茶の髪が印象的だった



そして仁王は自分の部屋へ。

ついでにタオルも持って。



今までに姉貴の友達が来るのは
少なくない。だから

部屋にいると、そのお友達とやらが
来るのだが(それが嫌ナリ)


今日は何も無い。安心した。


“まあ、自分の家やし
 普通、安心も何もないと思うき…”



ぬれた髪を適当に拭き、ぐだぐだしながらも
スウェットに着替えると時刻は5時半。

小腹が空き、時間も丁度良いだろうと思った




木下 林檎は自分に害を与えないと
判断した仁王は、リビングへ。



ガチャ、・・・



「ちょっと入るぜよ」

「あ」





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