短編
□ヒーロータイム
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俺はおっさんにケリを入れるべく、助走をつけようとしたその時だった。
「え…?」
俺は固まった。
動けない。
「はははは。動けないだろう。どうだ、これが俺の能力だ!!!!」
「くそ。」
悪のおっさんはドヤ顔で笑っている。
「後悔しても遅い。君には恥辱の限りを味わってもらう。」
恥辱?
なんじゃりゃ?
さっさと殺してしまえばいいのに。
そういう所がキモイ。
「は?」
悪のおっさんは俺に近づいてくる。
甘い香水の匂い。
動けない俺の顎を掴む。
「貴様。いい顔をしているな。いたぶりがいがあるな」
悪のおっさんは、ニヤリと笑みを浮かべる。
頭がクラクラする。
目の前が霞んでく。
「ちなみに、これも俺の能力。」
その言葉を最後に、意識を手放した。