短編

□ヒーロータイム
2ページ/3ページ

俺はおっさんにケリを入れるべく、助走をつけようとしたその時だった。


「え…?」

俺は固まった。
動けない。

「はははは。動けないだろう。どうだ、これが俺の能力だ!!!!」

「くそ。」

悪のおっさんはドヤ顔で笑っている。

「後悔しても遅い。君には恥辱の限りを味わってもらう。」

恥辱?
なんじゃりゃ?

さっさと殺してしまえばいいのに。
そういう所がキモイ。


「は?」

悪のおっさんは俺に近づいてくる。
甘い香水の匂い。


動けない俺の顎を掴む。

「貴様。いい顔をしているな。いたぶりがいがあるな」


悪のおっさんは、ニヤリと笑みを浮かべる。


頭がクラクラする。
目の前が霞んでく。


「ちなみに、これも俺の能力。」


その言葉を最後に、意識を手放した。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ