真・三國無双

□今日も薬を求めて
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昔々あるところに
どんな病でも治してしまうという薬がありました。


その薬を作ったと言われるのが
謎の仙人・左慈


この不思議な老人に会って薬をもらうために
一人の青年が彼の元へ向かう途中でした。



***

「はぁ〜…その仙人ってのはホントにいるのかね〜」


彼は凌統。
呉の孫権に仕える武将の一人で、今は上司である呂蒙の為に左慈に会いに行く途中である。

なんでもこの凌統と、同じく呉将の甘寧は大変仲が悪い。
いつも喧嘩する二人の仲裁に入る呂蒙なのだが……とうとう過労で倒れてしまったそうです。



甘寧は凌統に
「ジャンケンで勝った方がおっさんの看病して、負けた方が薬を取りに行くってのはどうだ?」

と言って、勝ったのは甘寧。


負けた凌統は仕方なく薬を取りに山へ。





しばらくすると凌統は目の前に見覚えのある紫を見つけた。


「アレ?あんた…司馬懿さん?」

「ギクッ!…な、なんだ貴様ッ!?」


声を掛けただけなのに酷い驚き様。

「今日は曹丕さんと一緒じゃないのかい?」

「ギクッ!!き、貴様には関係なかろう!!」


ますます怪しい……


「第一貴様こそなんなんだ!貴様も左慈に用があるのか?」

「貴様も…ね」


いきり立つ司馬懿から見て分かるのは、何らかの理由で左慈に会いに行くということらしい。



「あんたがわざわざ左慈さんに会いに行くってことは…曹丕さんに何かあったのかい?」

「どぅわっほーいっ!?」


どうやら図星のようだ。




「機密事項だ!…ったくあの事が呉のヤツらに知られてたまるものか



「…なんだって?」

「こっちの話だ!!」


小声でぶつぶつ言う司馬懿だったが、そのあからさまな態度でだいたいの事は予想がつく。



「まあ俺には関係ないか」

「待て!」

「なんスか?」


聞くなとか待てとかいちいちうるさい司馬懿に凌統はムッとする。


「左慈の薬が必要ならば、手を組まないか?」

「…アンタと?」





と少し間が合って




「…まあ別にいいですけど…」

「決まりだな!行くとするか」



凌統が全部を言い終わらないうちに司馬懿が進軍開始。
仕方ないから渋々ついていく凌統だった。

「……人の話は最後まで聞けっつの!」






***

 
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