真・三國無双

□不可能を可能にするお方。
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「はあぁ……」


曹操のだだっ広い屋敷に、司馬懿の切ない溜息がもれる。
今日も主である曹操の息子・曹丕にいいようにこき使われているからである。


「はあぁ〜……」

「どうした仲達?腐った顔をしているな」

溜息の原因を作っている当の本人が現れた。

「そ、曹丕様!…別に悩みなどありませんよ」

「誰も貴様の悩みに興味など持たないだろう」

何か言っても冷たい言葉で返される。毎日よくこんな仕打ちに堪えられているな、と司馬懿は思う。


「ところで仲達よ、“不可能”という言葉を知っているか?」

またこの方は突然何をと思ったが、ここは黙って頷いておく。

「不可能のに棒を一本足すと素晴らしい言葉になるのだ。わかるか?」

「……おっしゃる意味が…分かりかねますが…」

たまには振り回される身にもなってほしいと思いながらも、司馬懿は自信満々の主の顔を見つめた。

「それはな……」

冷たい空気が一瞬通り過ぎたのを感じた。









「丕可能!」






「はあ!?」

耳を疑ったが確かに彼はそうおっしゃった。



「どのように困難だとしても丕可能。すなわちこの私、曹丕の丕。つまり曹子桓に不可能のはなく、全てが丕可能だというコトだ!フフフ...w」


彼はなんの躊躇いもなく、あんな恥ずかしい台詞を大声で冷静に司馬懿に告げた。
そのまま微笑を浮かべ、来た方向と逆に歩いて向かって行った。




唖然とする司馬懿の目線の端に徐晃の姿を見付けたが、彼は優しい微笑みを浮かべその場を去って行った。



「曹丕様……私、あなた様のお考えになるコトがさっっっぱり分かりかねまする……。はあぁ〜…」

結局、止まらない溜息は放置して、どうせこき使われる明日のためにもう休息しようと思った司馬懿だった。











「父よ…丕可能とは我ながら良い言葉だと思うのだが」

てぃーたいむをたしなむ父と子。早速曹丕はさっき司馬懿に聞かせた言葉を父・曹操に披露してみた。



「むう……操(そう)かも〜♪」



氷の刃の様な息子の視線が曹操に突き刺さった。


「だ、ダメか…子桓?」






この歳頃の子は難しいんだよ。きっとヽ(゜∀゜)ノ☆







   ――――Fin♪
 

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