真・三國無双
□仲達のある日。
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「はあぁ〜…」
今朝も曹丕様のお部屋の掃除をさせられて…、今は何故か最近“がぁでにんぐ”とやらにハマられたらしく…私にその花の水やりをさせている。
普通、“がぁでにんぐ”といったら自分で手入れせねば意味がないではないか!!
「ええーい!馬鹿めが!!」
「誰が馬鹿なんですか?」
私が庭先で花に水やりをしていた時に背後から声がした。
「……ッ!?って貴様!!孫呉の青二才!!」
相変わらず人を挑発するような態度を取りやがって…、そして諸葛亮の弟子とかいうのが気に入らん!
「嫌ですね〜、私には陸伯言という素敵な名前があるんですよ?」
「フン、知った事か!何をしに来た?」
「あなたに用なんかありませんよ。今日は周瑜殿のおつかいで、曹丕殿に会いに来たんです。ほら、お客様を主人の元へご案内するのがあなたの役目でしょう?」
コイツ、私を馬鹿にしているのか?
くぅぅ〜嫌味な小僧だ!
「わかりました。今お通ししますよ!」
私を怒らせたことが分かったからか、陸遜は黒い微笑みを浮かべる。
ちくしょう!
「なんだ仲達?花壇の手入れは終わったのか?」
曹丕様は一人、自室でてぃーたいむなんかを愉しんでいられるし…。
「こんにちは曹丕殿、周瑜殿のおつかいで参りました!」
「ほう、土産でも送り付けてきたか。仲達、茶の用意をしろ」
「はい…」
また私がパシリか……うぅ……今度のボーナス大サービスしてもらわなきゃ割に合わん!!
「はあぁ〜…」
私の事なんかお構いなしに何やら盛り上がってるし……。
何を話し込んでるのだ……。
「曹丕殿は司馬懿の事どうお考えですか?」
何ッ!?この小僧なんて無礼な!!
曹丕様は私を一番有能な右腕と思っておられるはず(たぶん…)!
「……しばい……?」
え?疑問系?!
「曹丕殿とぼけないでくださいよ、司馬懿ですよ、シ・バ・イ」
「……しばい……?」
え、ちょっと!!?
それはないでしょう!!?
私はあなたの傍に、何年仕えてると思ってんですかッ!!?
もはや限界だ!!!
「曹丕様ッ!!!( ` Д´)」
「……何だ仲達?」
一瞬ビックリしたのか、少し間をあけて反応する曹丕様。
「私の事をお忘れかッ!!?」
「……なんのことだ仲達、落ち着け騒々しい。踏み潰すぞ」
よくもぬけぬけと平然としおってからにィ〜!!
「曹丕様!!私は何年あなたに仕えてると思ってんですかッ!!?司馬懿は私のことではないですか!!!」
「!!」
曹丕様は閃いたように目をかっ開いた。
「そうだな仲達、おまえが司馬懿だったな」
「そうですよ〜曹丕殿ったら…その歳でボケちゃったかと思いましたよ」
またこの小僧余計な一言を…!
てか私の本名忘れるなんて……酷いや(゚ーÅ)ホロリ
「すまなかったな仲達」
「は、はい」
え?あの曹丕様が自ら詫びるなんて……なんの天変地異の始まりだ!?
「ふ…ふはは、私こそ取り乱して申し訳ありま……」
「だが、人の話を盗み聞きするとは感心せんな。罰として桃まん10コ買ってこい」
「はああッ!!?」
「今すぐだ!」
「ははは、ハイハイハイ!!」
ったく、人使い荒いんだから!!
また陸遜の黒い笑いが聞こえた。
覚えていろこの小僧めが!
……にしても……。
名前忘れられてるってすっごいショックだわ〜。
もっと自己ぴーあーるせねばならぬな………
者ども聞けぃ!
我が名は司馬仲達だ!!!
ふはははは!!!
☆END☆