真・三國無双

□仲達日記〜桃まん編〜
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 ○月□日 天気 雨


 「はあぁ〜……」

雨の日は好ましくない。

戦が行われないため、諸葛亮に我が才を見せ付けるコトが出来ないし。

そして、曹丕様も出掛けられないために私がこき使われる回数が増えるのだ!

甄姫様と共に退屈な時間を過ごされればよかろうが!!


元に今も曹丕様の私室の掃除をさせられている。何故私なんだッ!!



「子桓〜♪」


そんな私の気持ちも知らず空気を読まない親バカ殿がノックもせずに入って来た。

私と目を合わせるとげんなりとした顔をみせる。

私だって好きで掃除などしてる訳ではないわ!



「殿…曹丕様はこちらへはいらっしゃいませんよ」


息子を構う暇があったら、私の給料をあげてほしいね。私はボランティアで曹丕様お世話までは出来ませんよ。私はこの曹魏の軍師なのだからな!



「なんだ、子桓はおらぬのか。何処に行ったかわかるか?」



「この時間帯でしたら大広間の方へいらっしゃるはずですが」


そこで今日も甘いモノを頬張ってます!



「ふむ、そうか」



やっと出ていったか…。







 掃除も終わり部屋に行こうとしたところ張コウに呼び止められた。


「司馬懿殿!ちょうどイイところに♪」


「何だ?」


「こちらの桃まんを曹丕様に届けてください。では」


「お、おい!待て!」



私は軍師だぞ!?



まったく……。


怒られるのも嫌だからさっさと届けてしまおう。





「司馬懿〜」



「ん?」

見るとそこには許チョがいた。


「それなんだぁ?」


「これは曹丕様にお届けするモノだ」



匂いに釣られたのか、あからさまにこれを狙っている顔をしている。




「そうかぁ〜、じゃあおいらが曹丕様に届けてやるだぁよ」


「まことか?それは助かる!」


そうだな、おまえが届ければ曹丕様も1コくらい恵んでくれるだろう。……私には何も出ないだろうが…。


「では任せたぞ」



これでようやくこの前買ってきた書を読むコトが出来る。さっさと部屋に戻ろう♪








だがまた私の平穏はあの冷たい低い声に崩壊させられた。



「仲達!」



「はっは、ハイ!!」


人の部屋入るときくらいはノックしろよ!そこだけは親子で一緒なんだから!ったく…。



「何かご用ですか?」




「……桃まん」



「はあ?」



「張コウから渡されたのだろう?どうした?」


何か嫌な予感がした。


「…許チョが私の代わりに届けると言って持っていきました」



「仲達、食い物を許チョに任す奴がいるか!」



ああ〜やはり食べられたんだ……。そこで私に責任取らせる訳ね……。



「曹丕様……そのコトは許チョ本人に言い聞かせた方が良いかと……」

「許チョから食べ物を取り上げる行為は出来ん」


私はよくて!?
なんだそれ!?

普段どんだけ気をつかってると思ってんだ!?


「仲達、新しいのを買ってこい。今すぐ」

「今ですかッ!?」


ふざけるな!今日は雨降ってんだぞ!服が汚れるだろ!


「曹丕様…今日は酷い雨です。また日をあらためてはいかがでしょうか?」

こんな日に雷に撃たれたらそれこそ笑いのネタ……いいや、命の危機だ!

私だって今は読書していたいのに!


「私の頼みが聞けぬか?」


頼みってか命令だろ!!




「そうか、ならば………」





ゴクっ






「ジャンケンポンで勝負だ」


「はあッ!!?Σ( ̄□ ̄;)」




「ゆくぞ、じゃ〜んけ〜ん……」







結果は…言うまでもない。





「…何故私がこのような目に遭わねばならんのだ!」

「元気出すだぁよ!」


許チョも反省してか、ついてきてくれた。

だが元はと言えば貴様が原因なのだ!!
…しかしその顔を見ると怒れなくなってしまう。


『なるべくいっぱい買ってこい』



はあ…。そういやお代貰ってない…また私の給料が……。



ふははは……



END

 

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