グレンラガン

□元・小ネタ
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+ヴィラル+α
([RED:3]以降の話)

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獣人も眠る丑三刻―――。


日が沈むと、一部の夜行性の者を除いて、テッペリンは深い眠りにつきます。

私とヴィラル様は、一般的な獣人の様に強制睡眠を必要とはしていない体質なのですが、一番手早く体力を回復出来るのが睡眠なので、夜には寝床に着いています。

昨晩、私は不意に、ヴィラル様の寝ておられるお姿を見た事が無い事に気付きました。
ヴィラル様は本当に眠っていらっしゃるのでしょうか。
ご様子が気になって眠るどころではなくなり、こっそりと、隣りのご寝室を覗きに行くことにしました。


足音を立てないために裸足のまま扉に近付き、中がほんの少し見える程度に開いてみました。

すると、中からの灯りが廊下に筋を作りました。

どうやら、起きていらっしゃっる様です。

じっくりと部屋を覗いてお姿を探すと、床に座り込み、何か作業をされている様で、そばに置いたロウソクの灯りで壁まで伸びた大きな影がユラユラと揺れ動いていました。

息を飲み、耳をすませば、シャー、シャー…という金属の擦れるような音が聞こえてきます。


しばらくすると音が止み、ヴィラル様の手の中の物がギラリと光りました。


鉈でした。



何故、もっと灯りを強く焚かれないのか、とか、
わざわざ夜中に鉈を研がずとも、とか、
何をお考えになって少し笑っていらしたのか、とか……
聞きたい事はいくつも頭をよぎりましたが、ヴィラル様が楽しそうにされていらっしゃったので言葉にはせず、扉を静かに閉めて自分の寝床に戻りました。






「――――ヴィラル様と日々共に過ごしていると、戦士として私がいかに未熟であるかを思い知らされてしまいます…と、落込んでおったぞ」

「………はぁ…。」


わざわざ一人のところにやって来て、いきなりケンケンと怒りながら話し出したシトマンドラに、ヴィラルは力無く答えた。

「『はぁ』ではない!貴様はアレの世話を、もっとシャンとせんか!…聞いておるのかヴィラル!!」

「はい。鉈を研ぐのに集中するあまり、気配に気付かなかったとは、不覚でした」

「〜〜〜っ!もし貴様がアレの気配に気付いて振り返ったりしたらますます怖がらせるだろうが!!」

「………?…怖がって…いたのですか?」

「ぁ、いや。怖がっては……いなかったがな……」

「そうですか。戦士たるもの何事も恐れていてはなりませんからね。」

「だから、貴様のそういう朴念仁なところがだなっ!!」

「……朴念仁?」



暖簾に腕押し状態のシトマンドラの説教は、まだまだ終わりを見せてはくれなさそうだった。










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本編のところに挟むのにためらう感じの物になってしまいました。
…シト様崩壊。

071015 曾於シロ
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