DRRR!

□好き。
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《―…電波の届かないところにいるか、電源がはいっていないため、》
「また電源切ってる。」

困ったちゃんだよね、シズちゃんは。






デスクに置かれた資料を見つめながら、片手でパソコンに情報を入れる。
その作業を繰り返して何時間経っただろう。
そのパソコンの隣には携帯。
しかし一向に鳴る気配はない。
何回もかけた相手が、
気付いたとしても掛け直してくる事はないだろう。

そのために10分おきに電話をかけているのだが、電波が届いてないだの、
電源が入っていないなどで繋がる気配はない。

「もー、こんなことならシズちゃん自体にGPS付けるんだった!」


下手すればプライバシーの侵害だと訴えられるようなことを平気で言ってのける男を、
秘書は興味もなさそうに眺めていた。

「もう一回掛けてみようかな。」


男は書類を適当に放り投げると、携帯に手を伸ばした。


プルルルル

プルルルル

プルルr

「お」

《ッテメーしつけーんだよ!何回かけてんだ!ていうか何で俺の番号知ってやがんだよ!》

「シズちゃんシズちゃん」

《あぁ!?》

「好き。」

「…は!?てめっ…なに言ってy」

ピッ



「ふふふ」


男は満足そうに微笑むと、携帯の主電源を切った。




(次はシズちゃんが掛ける番だよ)






その1時間後にドアが破壊されたのは言うまでもない。


End.

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