デュラララ!!!
□きっと君は帰ってこない
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どうして俺はここにいるんだろう。
それがいちばんさいしょにでたぎもんだった。
俺、もといへいわじましずおは今、でかい一軒家の門の前にいる。一人ってわけじゃなくて、おとうとのかすかもいる。ついでに目のあかい俺と同い年くらいの男の子がいた。
なんでここにいるのかときかれたらかあさんに連れてこられたから。ワケが分らないし、かあさんにきいても教えてくれなかった。でも、ここに俺を連れてくるときすごくほっとしたかおをしていた。
「静雄。幽。」
そんなことをつらつら考えていると、かあさんに呼ばれた。かあさんはさっきまでここの家の人だと思われる男の人と話していた。むずかしい話だったから聞き流していた。
呼ばれたからかあさんのところまでいった。もちろんかすかもいっしょに。するとあかいめのこもいっしょにきた。まぁ、いっか。
「静雄、幽。今日から貴方達のことを世話してくれる方よ。私ととうさんは貴方達とはもう会えなくなるけど、ここの家で元気に生きるのよ。」
「?」
俺とかすかはすぐぎもんをいだいた目をかあさんに向けた。しかしかあさんはそんな目がみえてないように視線をそらし、
「では、よろしくお願いします。」
と、いままでのことをじーっとみてきいていた男の人にいった。
「はい。」
と、短く返事をした男の人に背を向けてかあさんは去って行った。いままで見てきたかあさんの後ろ姿の中で一番かがやいてみえた。よくわからないが景色がかすんでみえた。かすかはいつものかおでぽろぽろとなみだをだしていた。鼻の奥がツンとした。
これが俺達が捨てられて拾われた日だった。