家庭教師ヒットマンREBORN!

□夏の鬼ごっこ
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とある夏

此処はとある暗殺部隊

そして今回のお話はとある新米幹部二人の日常

夏のうざったい暑さをよそに綺麗な髪をなびかせ、風鈴の音を聞きながら遠くを見つめる可愛い系の彼女


その名は美蘭

美蘭はわずか16歳にしてかの有名なボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアーの新米幹部としt『なに状況解説してんのよ、どこ向いてんだオイ』


「読者の皆様にわかりやすく説明してるんじゃないですかー」

『そんな裏事情言わなくていいの!』


美蘭は呆れながらもミーにこっち来れば?と手招きする


「風鈴ですかー?風流ですねー」

『いいでしょ?百均で買ったの!!』

「いや、仮にもヴァリアーが百均ってー
もっとちゃんとした物買いましょうよー」

『なにぃっ!?百均ナメるなよっ!最近の百均は凄いんだからなっ!!』

いや、どんだけ百均信仰者?
近所のおばさんにこんなんいましたよー


絶対美蘭っておばさんになったら隣町でセールがあったら意地でも歩っていくタイプになりますよー

とか、ミーが考えていたら風が吹いて風鈴がチリンと綺麗な音を響かせた


「風鈴の音も綺麗ですけどー」

『ですけど?』

「ミーは風が吹く度に美蘭の喘ぎ声が聞ける風鈴が欲しいですねー」
『死ねエロガエル!!
そんなんもはや風鈴でもなんでもねぇよ!!』

「げろっ!!」


本当の事を言っただけなのにミーは美蘭の強烈なパンチをくらった


しかも鳩尾に………

普通の人だったら死んでるんじゃないですかー?

『あー、暑いなー
こんな男ばっかりのむっさいとこにいたくないなー』

「じゃあ海とか行きますー?二人で」

『海か、いいねぇー
フランと二人は絶対嫌だけどね』

「超ガッカリ」

『絶対危ない目に合うもんね確実に』

「保証はできませんねーあ、でも行くとしたらビキニ推薦で」

『絶対嫌です
スクール水着で行ってやるわ』

「スクール水着ですかー?それでもミーはイけますよー」

『マジで気持ち悪い』

「超ガッカリ」

『超ウザイ流行んないからソレ』

漫才のようにテンポのいい会話を繰り広げていく二人
ちらりとフランが美蘭を見ると今日は普段の服の趣味と違い、純白のワンピースを着ていることに気がついた

「可愛いですねー
そのワンピースを着てる美蘭ー襲いたくなりますー」

『もうツッコまないからね!ルッス姐がたまには涼しげなのも着てみなさいっていうからさ』

「すごく似合ってますよー
なんですかー?
このワンピースの純白と同じ私の純潔も奪って!っていう遠回しなお誘いですかー?」

『んな遠回しなお誘いあるかっ!!
なんでもかんでもアンタはそっち方向に持ってくるんじゃないの』


美蘭が全否定するのを見てフランはさもつまらなそうにちっと舌打ちする
それを見た美蘭がまた舌打ちすなっ!と声を荒げる

「それにしても暑いですねー」

『暑いんならソレ脱げばいいじゃない』

そう、フランの頭の上にはいつもと同じカエル帽子が乗っかっているのだ

「あー、忘れてましたー
どうりで頭が蒸れるわけだー」


フランはよいしょとカエル帽子を脱ぐ

『フランって偉いよねー
あのエセ王子の言うことなんか守ってんだからさ』

「だって脱ぐとナイフが飛んでくるんですよー」
『そんな事言って何気気に入ってんでしょー?
あ、それともベルセンパイに忠誠とか?ベルフラ?』

「止めて下さいよー吐き気がする」

『公式だと思うけど』

美蘭が妖しく笑っていうと、ベルフラなんて言われたのが嫌だったらしく、えいっとカエル帽を窓から投げ捨てた
帽子はヒューと下にまっ逆さまに落ちていった


『あーあ……
後でベルセンパイに怒られても知らないよー?』
「いいんですー
ミーはベルフラとか言われる方が嫌なんでー」

ミーが少し不機嫌そうに答えると美蘭は冗談よと笑った 


「いてっ!!」


「『ん?』」



下の方から声が聞こえて二人はバルコニーから下をのぞき見る
そこにはベルがナイフを持って青筋を立てながら上………フランと美蘭を睨んでいた

フランが落としたカエル帽がちょうどベルにあたったらしい

「テメーら………


降りてこいっ!!
切り刻んでやるよっ!」

「これって、ミーがやってない事になりませんかねー」

『これは無理でしょ
ベルセンパイ、めっさ睨んでるもん』

「美蘭ー
これはもう………」

「『逃げるしかない!』」








―真夏の鬼ごっこ―



(しししっ♪逃がすかよっ)
(あっ、今思うと私何もしてないっ!!)
(今さら何言ってんですかー?もう共犯者ですよー)








暑さの中、鬼ごっこが始まった




fin.


 

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